日本ハム斎藤佑樹投手(24)のプロ3年目で初の開幕2軍スタートが27日、決まった。昨年11月に発症した右肩関節唇損傷から完全復活を目指しているが、いまだ本格的な投球練習再開のメドが立っていない。2月の春季キャンプから、投球フォームを見直しながら患部の筋力強化に励んできたが、経過は平行線をたどっている。大谷フィーバーの影で、昨年の開幕投手がもがいている。

 斎藤が苦悩のシーズンインを迎える。悩まされている右肩の状態は、現在も万全からはほど遠い。3月も2月の春季キャンプと同様に、新たな投球フォーム固めと患部の筋力強化がメーンだった。「今でも、試合に投げろと言われれば、投げられる」と戦闘意欲は失っていない。だが、本格投球再開のメドは未定で田之上2軍投手コーチも「キャンプに比べたら、だいぶ良くなっている。でも、ブルペンはまだまだ」と、一進一退が続いている。

 野球人生で最大の苦しみを味わっている。投球フォームを一から見直し、右肩に負担のかからない体の使い方を、新任の中垣トレーニングコーチから教わっている。「分かりやすいですし、頭では理解できている」。下半身の動きや両腕の使い方など、指導は細部に渡る。「しっかりマスターしてからですね」と、全てを完璧に体になじませるまで、完全復活の入り口は見えてこない。

 昨年はプロ入り初の開幕投手を務め、プロ初完投勝利で大役を果たした。鮮烈な活躍で、プロ2年目をスタートさせ、飛躍が期待されたが、待っていたのは故障との戦い。今年、ドラフト1位で入団した大谷は野手として開幕1軍入りが決まった。スーパールーキーの輝きに負けていられない。

 「いろんな人に“焦るな”って言ってもらった。本当にありがたかった」。この日は、鎌ケ谷の室内練習場で汗を流した。群がる報道陣に金子誠から「お前のせいだろ」とからかわれたが「僕じゃなくて大谷翔平です」と話すなど表情は明るい。巻き返しへ、地道な努力を続ける。【木下大輔】