<ヤクルト0-5阪神>◇10日◇松山
大和の奥義、つばめ返しがズバッと決まった。メッセの先制3点にとどまらず、1番西岡と連打を決めて、2点を追加した。2打席凡退していたヤクルト石川から、くるっと軸回転で左翼線ギリギリに打ち返す技あり二塁打。勝負強さとヤクルト戦の強さが目立つ2番打者。「坊っちゃん」並みの大暴れだ。
阪神大和内野手(25)はコマのように体をクルリと回転させ、カットボールの曲がりっぱなをとらえた。軸回転で放った飛球は切れることなく、左翼線ギリギリで弾んだ。
大和
体が自然に反応してくれました。ファウルになるかなと思ったんですけど、フェアになってよかった。軸回転で打てました。
5回。9番メッセンジャーの3点二塁打で先制し、なおも1死一、三塁。ヤクルト石川の内角カットボールを巧みにさばいた。2点二塁打でリードを5点に広げ、試合の大勢を決めた。
10センチ前後の「前進」が、巧打を支えている。約1年前、昨年の6月。練習中に和田監督から貴重なアドバイスをもらったと言う。
「変化球は最後に大きく曲がる。もうちょっと前に立ったら、どうだ?」
それまではバッターボックスの一番後ろに立ち、変化球に苦戦していた。ならば、変化球が曲がりきる前にミートできるよう、投手寄りに立ってみては?
2番を打つことも多い右の巧打者だった指揮官の金言が、大和を進化させた。
「10センチぐらいですかね。体調やボールの見え方によって多少は変えますけど、そこから投手方向に立つようになりました」
今はもう、変化球への苦手意識などない。曲がりきる前に仕留めればいい。この日も難しい内角変化球をとらえ、見事にフェアゾーンへ持っていった。和田監督は「体に巻きつけて打てるようになった」と評価。水谷チーフ打撃コーチは「内角打ちはあいつが(チームで)一番うまい。センスがある」と絶賛した。
ヤクルト石川とは早くも今季4度目の対戦だった。前回までの3戦は8打数3安打。「ミスショットせずに打てる球を見逃さないように、と思っていた」と納得顔だ。今季ヤクルト戦は計42打数20安打、打率4割7分6厘。堂々のツバメキラーだ。
遊撃手時代の07年7月19日、フレッシュ球宴では強肩で補殺を記録した坊っちゃんスタジアム。いい思い出がまた増えた。「ヤクルト戦は結構打てているし、いいイメージの中でやれていますね」。松山での残り2戦、大暴れの予感がプンプン漂う。【佐井陽介】



