中日高木守道監督(71)が鬼ノルマを掲げた。11日、西武ドームでの全体練習前、一塁付近に打撃コーチ、スコアラーを集め“青空”ミーティングを緊急実施した。チームの借金は10。球界最年長監督の野望は、球宴までの全10カードに勝ち越す大逆襲だ。

 西武ドームに異様な空気が流れた。全体練習前の一塁ベース付近。井上、彦野両打撃コーチ、スコアラー3人が高木監督を囲むようにして集まった。アップ中の選手や関係者がチラチラと見る中での公開ミーティングは、25分間も行われた。

 高木監督は「雑談ですよ。『どうやったら打てるか言え』と言った。もちろん明日の話もした。ハンディもらわなイカン。基本的に(状態が)悪い」と話した。今日先発の西武菊池に対してハンディがほしいというジョーク。いつもは笑って話す冗談が、この日は冗談に聞こえなかった。チーム打率は12球団中11番目の2割4分2厘。ミーティングのメンバーも打撃部門で、攻撃力アップの願いは切実だ。

 ズルズルと借金を積み重ねてきた。そんな状況にストップをかける。高木監督は厳しいラインを引いた。それが球宴まで全カード勝ち越しという鬼ノルマだ。

 「大変だけどそれぐらいじゃないと追いつけん!」

 借金は10。球宴まで10カードのうち、交流戦を含め4カードが2連戦。すべて勝ち越しとなれば20勝6敗で貯金4まで挽回できる。ちなみに今日負ければ、夢プランは1日で消滅してしまうが。今季は5連勝した試合で「30連勝しそうな気がする」とぶち上げた71歳指揮官。逆襲の意気込みは衰えていない。【桝井聡】