<ソフトバンク11-4ヤクルト>◇13日◇ヤフオクドーム
自身は3度目の交流戦優勝。ソフトバンク秋山幸二監督(51)は客席に手を振る選手たちを冷静に見ていた。「リーグ優勝もここで決まればいいなと」。リーグVの手前にある峠でひと息ついた。
指揮して5年目。温和な顔の下に冷徹な「目利きのアキ」がいた。ペーニャだけでなく、痛みで休みがちな守護神ファルケンボーグでも容赦なく2軍へ落とした。「1軍なんだから試合で戦えるやつでないと」。故障の癒えた松中も簡単に1軍に呼ばなかった。外国人、ベテランだからという優遇措置はない。大切なのは今どれだけ戦えるか。単純かつシビアな考えに立ってメンバーを選んだ。
1番に固定した中村、今は2軍の福元、敗戦処理から抑えに成り上がった千賀など、技術を伸ばし、旬だと思えば使った。「若いのが上で続ける難しさを経験して乗り越えると、もっとチームは強くなる」。競争原理が作用する環境づくりを目指した。今では松田や松中、ペーニャも早出特打するのが当たり前だ。
フリー打撃で客席に放り込み、ラヘアに20メートルダッシュで勝ってしまう51歳長年悩んでいる腰痛や首痛の治療を受けながら、言った。「よくはり治療を受けるけど、彼らは電話帳の中に1本の髪の毛を入れて表紙の上から触ってどこにあるか分かる。繊細な技術があるからやっていける」。
精神的な柱でもあった小久保が引退。今は「無理して選ぶもんじゃない」と主将制を敷かない。個々が「技術屋」だと認識し、戦うプロ技術集団に-。リーグ優勝まで指揮官の仕事は山ほど残っている。【押谷謙爾】




