<日本ハム5-1広島>◇15日◇札幌ドーム
新井さん、オレやったよ!
「新井チルドレン」の広島松山竜平外野手(27)が、今季2度目の猛打賞をマークし孤軍奮闘した。6回1死二塁からは、一時は同点に追いつく適時打を放った。額を骨折し、ホテルで静養していた新井宏昌打撃コーチ(61)を安心させる活躍ぶり。チームの連勝は止まっても、頼れる男の勢いは止まらない。
新井打撃コーチ不在でも、教えは松山のバットに宿っていた。0-1の6回1死二塁。1ボールからの2球目、持ち味の積極性で外角低め147キロに力負けせず、二遊間を破った。一時は同点となる、中前適時打だった。チーム5安打のうち、3本が松山のもの。交流戦の打率は4割5分1厘となった。
「状態はキープして、僕の中では最高の結果が出ている。勝ちにつなげられればいいのだけど」
丸とともに「新井チルドレン」の1人だ。昨年の秋季キャンプから、強化選手と位置づけられ、徹底指導を仰いできた。だが、師は前日14日の練習中に頭蓋骨骨折などの重傷を負ってしまった。交流戦での活躍に目を細めていた直後のことだった。
「彼の魅力は初球からでも、思いっきり振っていけること。何でもかんでもではいけないけど、勇気がないと振れない。バッティングとは、ファーストストライクを打つのが、一番ヒットになる確率が高い」
今の活躍は、教えを守り続けてきたたまものだ。松山の頭に染みついている教えがある。「お前は器用だから、何でも当ててしまうけど、入ってくるボールを狙え」。交流戦期間中の2本の本塁打はいずれも、内角低めのスライダー。この日も、2打席目の4回無死一塁の場面で、追い込まれながらワンバウンドしそうなスライダーを右前に運んだ。
試合前に朗報が届いた。新井コーチは、再検査でも異常はなく1日の入院だけで退院した。試合中は、宿舎で戦況を見守っていた。
「チームを離れてしまったけど、新井さんがいなくても、自分たちのバッティングをして、安心して戻って来られるようにしたい」
教え子たちのヒットが、最良の薬になることは間違いない。【鎌田真一郎】



