<楽天2-1阪神>◇15日◇Kスタ宮城

 3戦連続完投も、喜べない快挙となってしまった…。阪神能見篤史投手(34)が楽天打線を2点に抑える好投も、味方の援護に恵まれず、3敗目を喫してしまった。両リーグトップの5完投も、エース左腕に笑みはなし。今日はルーキー藤浪が先発。猛虎打線よ、この悔しさを楽天田中にぶつけてや!

 十分に試合を作った。それでも勝てなかった。能見の言葉にエースの自負が漂う。8回を完投し2失点の好投も、3敗目。「負けたら一緒です」。内容よりも結果を受け止めた。

 先頭打者から2連続で三振を奪うなど3者凡退で最高の立ち上がりを見せた。しかし2回。警戒していた外国人コンビの1人、4番ジョーンズに四球を与えたのをきっかけに、2死満塁のピンチを背負うと先制点を献上。味方が直後に同点に追いついたが、3回先頭の松井には真ん中付近に甘く入ったチェンジアップを左翼席に運ばれ、勝ち越しを許してしまった。「データ通り。真っすぐ待ちというのがありました」と計算されたボールだったが、痛恨の失投となった。4回以降は1人の走者も許さなかった。初回も含め、失点したイニング以外は完全に抑えただけに、悔しさが募るのも無理はない。

 エースの仕事は果たしている。金子と投げ合った1日オリックス戦(京セラドーム大阪)での完封劇から、ここ2戦連続で完投勝ち。03年井川以来の3連続完投勝利こそ逃したが、3戦連続1人で投げきった。自身が11年6月に記録して以来、チームでは2年ぶりだ。もちろん、和田監督も「しっかりゲームを作ってくれた。ずっと先発の役目は果たしてくれている」と評価しつつも、「序盤の点の取られ方が能見らしくなかった」とも。叱咤(しった)の言葉が出るのも強い信頼の裏返しだ。

 ここまでメッセンジャーと並んでチームトップの6勝を挙げる左腕は、交流戦明けのリーグ再開後、首位の巨人を追いかける中で欠かすことのできないピースになる。リーグ再開初戦の21日DeNA戦に登板し、28日広島戦の後には、登板間隔を詰めて7月4日巨人戦に回る予定。試合を作るだけではなく、勝つ。エースとしての強い信念をもとに、セ界再奪首のキーマンとなる。【山本大地】