<阪神2-3巨人>◇2日◇甲子園

 プロの世界でも、甲子園に魔物はいた。首位攻防の初戦を託された巨人先発菅野智之投手(23)が、阪神に3個も盗塁を許した。3回無死一塁、走者は鳥谷で、打者は4番マートン。初球だった。切った瞬間にセーフと分かる、完璧なスタートをされた。プロ入り後、通算96イニング目にして初めて盗まれた。規定投球回に到達しているセ・パ両リーグの右投手で、盗塁を許していないのは菅野だけだった(左腕では巨人内海、ヤクルト石川がいる)。

 セットポジションの技術で相手を制してきた。だが初対戦の阪神に、その上をいかれた。自身が「走られてはいけないところで、走られた。神経質になりすぎカウントを悪くしてしまい、無駄な四球を出してしまった」と振り返った通り、持ち味を搾り取られた。

 球持ちが長くなり、テンポを奪われ、制球も乱した。4回2死に大和、6回2死には西岡に走られた。打者鳥谷への4球目という場面だったが、原監督はここで菅野を諦めた。新たな課題を見つけた菅野は「今は苦しいところ。何とか乗り越えていきたい」とルーキーらしく話した。

 原監督は菅野の交代機を「かなりの材料、そして決断があった。勝負は厳しい。同じプレーを繰り返しているようではいけない」と説明。「伝統の舞台を経験をした。経験を大事に、反省して、次に生かしてほしい」と続けた。持ち前の研究心でスキをなくし、もっと大きな試合でやり返せばいい。【宮下敬至】