<阪神2-3巨人>◇2日◇甲子園
あぁ…、甲子園にタメ息が充満した。巨人との首位攻防第1ラウンド。延長11回、渡辺の押し出し四球でジ・エンド。昨年から11試合負けなしだった延長戦で悔しい負けだ。ゲーム差は3・5。これ以上負けられない正念場で、今日はルーキー藤浪晋太郎投手(19)の出番。初の巨人戦、初のナイター。ここ4戦勝ち星はないが、大きな1勝をつかみ取れ!
渡辺が天を仰いだ。スタンドからため息が漏れた。延長11回2死満塁、途中出場の伏兵・立岡に痛恨の押し出し四球。その裏の攻撃も及ばず、首位攻防第1ラウンドは息づまる総力戦の末に敗れた。
「もうちょっと、大胆にいけばよかった…」
先行しながら7回に2-2の同点に追いつかれたがリリーフ陣の踏ん張りで勝ち越しは許さなかった。7度のサヨナラ勝ちを生んだ得意の展開へ。ただ、この夜は逆にリリーフ陣の層の厚さを見せつけられ、先に力尽きた。昨年から続いていた延長戦の不敗記録は11でストップ。ゲーム差は3・5と突き放された。ダメージは小さくない。
それでも、だれも下を向いている選手はいなかった。そう、リベンジのチャンスはすぐにやってくる。これ以上、離されたくない正念場。第2戦を任されるのは19歳の右腕・藤浪だ。
初めての巨人戦先発を翌日に控えた怪物右腕はこの日、甲子園ブルペンで投球練習を行うなど最終調整を行った。伝統の一戦に対する意識を問われると、表情を引き締め、こう言った。
「もちろん、セ・リーグの首位を走っているチーム。タイガースも必死に食らいついているんで、大事な3連戦になると思います。思い切ってやりたい」
大阪生まれだが、幼少の頃、実は巨人ファンだった。それが、今は阪神の一員として宿敵巨人を倒す使命を背負っている。プロ入り当初から対戦願望のあった阿部は負傷のため出場は微妙とはいえ、打線に切れ目はない。
「阿部さんだけということはないですが、4番ですし、球界を代表する打者ですから。4番の前に走者をためないのは当たり前。当たり前のことを当たり前にやりたい」
練習を終えると、球団スタッフに付き添われて巨人側の三塁ベンチへ。監督推薦で初の球宴に選んでくれた原監督にあいさつした。“恩返し”はピッチングでするつもりだ。
ここ4試合、勝ち星がない。加えて初のナイターという不安もある。だが、藤浪はいつも通りだった。「(ナイターは)世界大会で何度か経験しています。嫌いじゃないし、むしろ好きな方だと思います」。中西投手コーチも「デーゲームが続いて疲れもあったし、リズムを変える意味でも。球の速い投手はナイターの方がいい」と、トンネル脱出に期待感を示した。
相手は巨人のエース内海。これ以上ない舞台が整った。チームの窮地を救うマウンドへ、藤浪が立つ。【鈴木忠平】



