<中日0-6広島>◇20日◇岐阜

 高木守道監督(72)の故郷岐阜で守道竜が赤っ恥完敗を喫し、3位広島に1・5差をつけられた。先発前田健らをとらえ切れず、5安打で14度目の0封負け。前田健には今季2戦2敗で15回無得点の惨状だ。ドーム育ちの選手は酷暑の屋外は苦手なのか、今季の地方球場は7戦全敗で終了。指揮官は「弱いからでしょう!」と怒りを隠さなかった。今季限りで退任する監督最後の故郷采配は、屈辱の夜になった。

 守道監督が故郷岐阜で屈辱にまみれた。先発前田健らを打てず、見せ場なしで14度目の0行進。投げては先発中田賢らが14安打を浴びて6失点し、5回で勝敗が決まってしまった。「(敗因は)先発じゃない。打てんかったから。初回にああいうチャンスをくれたのに取らんから」。帰りのバスの前、怒りを押し殺して吐き捨てるように言うしかなかった。

 分岐点に挙げたのは初回、谷の二塁打と相手暴投で得た1死三塁の場面だった。森野の左飛の時、三塁走者谷が本塁突入を自重。浅い打球で判断は微妙なところだった。だが監督は「ギャンブルするったって、前進守備してるわけやない。そういう指示をする方が悪い!」と上田三塁コーチを一喝した。結局先制点を奪えないまま、前田健ペースに持ち込まれ、あとは今季2戦2敗、15回無得点の天敵をホメちぎるしかなかった。

 「打てんのはしゃあない。あれだけのピッチングをされたら、そう点は取れませんよ。セントラルのマー君ですよ?

 うちの打者はちょっとついていけん…」

 客席には県岐阜商OBや、毎年恒例の野球教室で教えた子どもたちも駆けつけていた。「今年は成績が悪いから見放されている」と、昨年より減った前売りにショックも受けていたが、18日の巨人戦では高橋周らの4発で快勝。「長良川で花火大会や!」と大はしゃぎだった。だが打ち上げ花火の1発どころか、線香花火のようなヒットが5本だけ。反対に県岐阜商の後輩石原に先制打を浴び、故郷に錦の1発まで上げられた。今季限りで退任する指揮官にとって、故郷でのラスト采配。だがブランコらの3発で快勝した昨年とは正反対の結末が待っていた。

 ドーム育ちのナインには、この日36度まで上がった岐阜のような屋外は苦手なのか。これで今季の地方球場は7戦全敗フィニッシュとなった。「弱いからでしょう!」。指揮官の怒りにすべてが集約されていた。幸い、もう地方試合はない。だがCSを争う3位広島に1・5差をつけられ、借金は再び13となった。そして何より必要なのはマエケン対策。火曜日で回る前田健とは残り2カードとも対戦する可能性がある。岐阜での屈辱を高い勉強代に変えるしかない。【松井清員】

 ▼中日が広島に敗れ今季地方球場で7連敗となった。高木監督の地元岐阜では05年から5連勝、99年から昨年まで8勝2敗と相性のいい球場だったが、連敗を止めることはできなかった。首位巨人が9勝1敗、2位阪神が7連勝と上位2強が地方球場で勝ち星を量産しているのに対し中日は7戦全敗と不振の成績の一因となっている。