<DeNA3-9阪神>◇21日◇横浜
真夏の横浜。まるで夜行性の昆虫のように、白球は左翼上空の照明方向に吸い込まれていった。阪神マット・マートン外野手(31)が大飛球を左翼席最上段に突き刺し、勝負を決めた。
「144試合を戦っている。昨日は大変な負け方をしたけど、1試合にとらわれていたら長いシーズンやっていけない。積極的に行こうと思っていたよ」
5回表までの3点リードを追いつかれた。前夜は7点リードを守り切れず、痛恨のサヨナラ負け。またか…。DeNAには4連敗中。再び漂う負のムードを4番が一蹴した。同点の8回。先頭で加賀の真ん中高めに浮いたスライダーを強振した。2年ぶりの2ケタ本塁打となる10号決勝弾。9回には2打席連発となる11号左越え2ランだ。来日4年目で自身初となる1試合2本塁打も記録した。
オフもスイングを崩さぬよう細心の注意を払う。球界には秋から冬場にかけてゴルフを楽しむ選手も多いが、マートンは一切ゴルフクラブを握らない。「プロ入りしてからは1、2回コースを回ったぐらいかな」。最後に本格的にゴルフを楽しんだのは高校時代だという。「下手だから、やらないんだよ。野球のスイングばかりしているから、ゴルフスイングに影響が出ちゃうんだね」。そう冗談めかすが、本心は本業のスイングに少しの影響も与えたくないためだ。繊細な感覚で打撃を固め、今がある。
首位巨人が負け、ゲーム差は再び6・5。自力優勝の可能性も復活した。「イイデス!
モウイッチョ、ウィン、ウィンデ、オネガイシマ~ス!」。まだ虎はファイティングポーズを崩していない。【佐井陽介】




