<ヤクルト8-3巨人>◇22日◇神宮
ヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手(29)が、2夜連続の大暴れだ。5回に球団最多本塁打新記録となる45号2ランを放つと、7回には2打席連続となる46号ソロ。2試合連続の2発で、4カ月ぶりの巨人戦勝ち越しへと導いた。来日3年目の今季は体調管理に気を使うなど、豪快な打撃の裏に繊細さも加わった。心優しき野獣が年間61・9本ペースと快調に量産している。
どうにも止まらない。バレンティンが、首位巨人相手に2日続けて2発を見舞った。5回の1本目は沢村の低め145キロを左翼席上段に運び、45号2ランで球団最多本塁打新記録を達成。「信じられない。最高の気持ちだよ」と興奮気味に振り返ったが、球団記録は通過点にすぎなかった。
続く7回には、青木の105キロカーブを、十分に待って振り切り、左中間へ46号ソロを放った。左右の投手から、球速差40キロの球を、軽々とスタンドに放り込んだ。「打てるボールを打ち損じなかった。ラッキーだったね」と、ヒットゾーンの広さを見せつけた。
当たれば飛ぶ、まさに野獣だ。身長185センチ、体重100キロの巨体で、ユニホームのサイズは「4XO(フォーエックスオー)」。胸囲は130センチに近い。大好物はもちろん肉だ。ベンチでは栄養価の高いヒマワリの種をボリボリと食べている。
だが、豪快な一面だけではない。昨季までは遠征に行けば「肉」ばかり食べたが、今年は「栄養バランスを考えて」と、1遠征で1回に抑えている。また、ヒマワリの種の食べかすも、自分で用意した紙コップに捨てている。
打席でも、実はデリケートだ。相手投手だけではなく、捕手の配球の傾向も頭に入れるようになった。「日本では捕手がどういう配球をするかも研究している」。1年目は夏場すぎに失速したが、気候、野球、文化と日本に順応しようと気を配っている。小川監督も「技術が上がったというより、精神的に優位に打席に入っている」と、順応ぶりに感心した。
55本のプロ野球記録までついに残り9本となった。3年連続本塁打王だけではなく、3冠王も視界に入ってきた。この日も3安打で打率3割3分7厘のリーグ2位。それでもチームが最下位だけに「そこまでは考えたくない」と個人成績の話題を遮った。「1人の力じゃないから。チームに貢献するために、調子を継続していきたい」。左アキレスけん痛は抱えるが、心と技が充実した野獣に隙はない。【浜本卓也】
▼バレンティンが45、46号と、前日に続いて2本塁打。ヤクルトでシーズン46本は99年ペタジーニ、04年岩村の44本を抜く球団新記録となり、チーム107試合目での46号は85年バース(阪神)の106試合目に次ぐスピード記録だ。1試合2本以上は今季9度目で、8月の本塁打は12本目。1試合2本以上のシーズン最多記録は85年のバースと落合(ロッテ)の11度で、月間本塁打記録は81年7月門田(南海)ら3人の16本。ヤクルトの残りは8月の8試合を含め37試合。シーズン55本のほかに、固め打ち11度、月間16本のプロ野球記録も狙えそうだ。



