<中日1-4阪神>◇24日◇ナゴヤドーム

 もうダメか…なんて疑ってすいません!

 1点を追う9回、阪神が中日の守護神岩瀬を打ち砕いた。相手失策で同点として、なお1死一、三塁。頼れる男・西岡が詰まりながらも中前に執念の勝ち越し打だ。3連勝で貯金は今季最多を更新する16。6回1失点と奮闘した藤浪の負けも消した。巨人は勝ってゲーム差は5のままだが、27日からの直接対決へ、今日も勝つ!

 どん詰まりの打球に執念が表れていた。土壇場の9回だ。1点差を追いつき、なおも1死一、三塁。西岡は守護神岩瀬の内角直球を思い切り振り抜く。バットは鈍い音を発した。それでも、フラフラと上がった打球は中堅大島の前に落ちる。待望の勝ち越し打で打線は一気に活気づく。8回まで沈黙していた打線が波状攻撃で4点奪取。逆転劇で堂々と主役を張った。

 「チームがチャンスを作ってくれた。投手は岩瀬さんだし、気持ちで行くしかない。いい当たりじゃなかったけど、声援が後押ししてくれた。打てなかった悔しい思いがあったから」

 ルーキーの力投に報いる一打だった。5回、藤浪が四球からピンチを広げると1度、2度とマウンドへと足を運び、後輩を鼓舞。「四球を出してから粘りの投球で最少失点に抑えていた。投手にとって節目の10勝目。勝ちをつけられなくて申し訳ない」。1点を追う7回には藤浪が代打を送られた直後、2死二塁の同点機で投ゴロに倒れていた。同じ失敗を繰り返さない。悔しさを晴らす決勝打だった。

 左膝痛が癒え、16日ヤクルト戦から1軍復帰後、7試合連続安打。チームも6勝1敗と息を吹き返した。卓越した打撃技術は虎の財産だ。8月上旬、炎天下の鳴尾浜。2軍調整中は若手と練習した。平田2軍監督は2年目の西田を見つけると言う。「西岡のバッティングをちゃんと見ておけよ!」。打撃ケージで的確にミートする姿に、大阪桐蔭の後輩も刺激を受けた。「僕は打っても下半身が流れたり動いたりすることが多いですが、西岡さんはピタッと止まる」と目を輝かせた。若きホープはブレずにバランスの取れた下半身の動きに感嘆。これが安定した打撃を支えているのだ。

 強靱(きょうじん)な足には、念には念を入れる。開幕前には用いていなかった白いレガースを、7月ごろから着用。自打球の痛みを和らげ、故障を防ぐためだった。シーズン佳境に入り、肉体管理も怠らない。チームは3連勝で貯金を今季最多16に更新した。西岡は言う。「チームが大事なときに離脱した。結果を残して恩を返したい。今日は早く帰って、巨人戦をじっくり見たい」。力で守道竜をねじ伏せたデーゲーム。背番号7の視界には、首位巨人の背中が少しずつ見えてきた。【酒井俊作】

 ▼阪神が61勝45敗2分けで貯金を今季最多の16とした。10年10月6日横浜戦(横浜)に勝って78勝62敗3分けとして以来、3年ぶり。なお今日25日も勝って17に増やせば、08年以来5年ぶり。