<西武3-7ソフトバンク>◇24日◇西武ドーム
ギータの豪快な決勝アーチが飛び出した。ソフトバンクは逆転勝ちで連敗を2で止め、西武戦4連勝。15安打7得点と先発摂津を援護した打線の中で、殊勲者は柳田悠岐外野手(24)だ。同点の6回、牧田からバックスクリーン左へ7号ソロ。右肩痛を抱える若武者の奮闘で、クライマックス・シリーズ(CS)圏内の3位に踏みとどまった。
ソフトバンク柳田の恐るべしパワーだ。1ボールからの2球目。牧田の緩い外角カーブをとらえた打球は、グングン伸びて落ちてこない。バックスクリーン左への135メートル弾。それでも真芯ではなく「バットの先」というから、驚きだ。
「摂津さんが投げていたので必ず勝たないといけない試合。そういう気持ちが結果に出た。1、2打席に同じ球(カーブ)でやられていたので、頭に入れていた。とにかく思い切りいくことを考えている」。第1ストライクの打率5割2分8厘は、クリーンアップの3人を上回る。積極打法がこの日も実を結んだ。
6月25日の日本ハム戦で右肩腱板(けんばん)を損傷。7月15日に1軍復帰した。今も守備は無理だが、指名打者でスタメン出場した5試合は3発とインパクト十分。表情にも持ち前の明るさが戻ってきた。
約3週間の離脱。ここまで大きなけがは、未体験だった。広島・広陵高時に体育の授業のバレーボールで張り切ってブロックに飛んだら、右手中指の第1関節を骨折したという程度。同じくプロ入り前にはひどい腰痛に襲われ「無理だ」と思ったが、治療せず1日で痛みが引いたほどだ。
今回は違った。「最初はテレビのリモコンも持てなかった」という激痛。箸も左手で持って食べた。何より、故障知らずが自慢だっただけに、精神的な落ち込みがひどかった。「もう今年は無理。来年」と言ったことも。藤本打撃コーチは「2軍から見てるが死球などで痛がったことはない。だから今回の右肩は本当に痛いんだろう」と話す。
今も「バリ痛い」と手負いの状態だ。ただ守らないベンチでの時間は、相手の配球を調べるなど有効活用。規定打席不足ながら打率3割が目前だ。「(打線は)みんな調子がいいので、何かきっかけがあればいつでもこういう点数は取れる。目指すところは1位。あきらめず、1戦1戦勝っていきます」。チームはこの日で100本塁打を記録。3年ぶりに大台に乗せた打線にあって、柳田の長打力はパンチが効いている。【大池和幸】



