<ソフトバンク0-6ロッテ>◇27日◇ヤフオクドーム
最後の打者が空振り三振に倒れると、ロッテ大谷智久投手(28)はベンチで手をたたいて喜んだ。10日ぶりの先発マウンドで、チームの連敗を3で止める大きな2勝目。1回1死一、二塁のピンチを遊併殺で切り抜けて波に乗った。今季自己最長の6回2/3を2安打無失点。「前回最低な投球をしたので。次につなげられて良かった」。やっと緊張の糸が緩んだ。
10日間で生まれ変わった。17日のオリックス戦は大乱調。3四球を出し、アウトを犠打1つしか取れないまま4失点で降板。その後、1度は元の中継ぎに戻された。「逃げ出したくなった。でも、何か変えないといけない」。情けない自分の姿と、向き合った。
まずは調整法。「余計なことに悩む時間は要らない」とプロ入り後初めて、登板2日前のブルペン入りを前日に変更。力任せに投げる癖を直すべく、フォームも下半身主導に変えた。セットポジションでは足幅を広げて膝を曲げ、どっしり構えるスタイルに。プレートの立ち位置も三塁側にした。そして何より「自分を信じてあげること」。炎上した前回登板後、大先輩の渡辺がくれた助言だった。
心技の大改造により、今季先発初の無失点投球が実現。四球は1つに減った。伊東監督の「ピンチで代えるより、いいイメージで次も投げさせたい」という親心で7回途中交代となったが、リリーフの3投手も完全投球で4回以降は1人の走者も出さなかった。
「うれしいというより、次をどうしていくかしか、考えてないです」と大谷。今季前半戦まで、本職は中継ぎだった。先発不足に陥った崖っぷちのチームをローテの“谷間”投手が救ってみせた。【鎌田良美】



