<巨人5-3阪神>◇28日◇東京ドーム

 ありがたくない秋風が吹き始めた。「3連勝宣言」で乗り込んだ敵地で、和田阪神が痛恨の連敗だ。2本のアーチで決めポーズ「グラティ」を命名後初めて披露する一方、適時打は欠乏症。巨人村田に連夜の初回2ランを浴び、相手中軸に全5打点をたたき出された。完全な力負け。和田豊監督(50)は「絶対に取らないといけない2試合だった」と唇をかんだ。

 虎党がざわめいた。同点の5回、先発榎田は限界だった。阿部に右翼フェンス上部を直撃する二塁打を打たれて1死二、三塁。中西投手コーチがマウンドへ行き、ベンチを見た。和田監督が決断。勝負どころで告げたのは、前日に2回を投げた「ボイヤー」だった。

 和田監督

 現時点では松田はもう少し後ろ。あそこは一番状態がいい投手で。もしくは回の頭からというのもあったけど、何とか5回までと思ってね。

 助っ人右腕は初球、前夜は一ゴロに仕留めた村田に同じ直球を投じた。145キロ。あっさりと右前適時打を浴びた。福留の好守に救われながら2点を失った。松田やベテラン救援陣は終盤を見据えてスタンバイしている。対照的に巨人は青木が5回から6回途中にかけて踏ん張り、早々と切り札マシソンにつないだ。中盤を任せられる「もう1枚」の差が出て、和田監督も思わず後悔を口にした。

 「もう1本」の差も出た。同点の5回、勝ち越された直後の6回。いずれも2死満塁の好機があった。しかし…5回はマートンが力のない投ゴロ、6回は西岡が空振り三振に倒れ、バットをたたきつけた。和田監督も「追い越すチャンスがあったけど、あと1本がね」と嘆いた。残塁8のうち6個を、この2イニングで積み上げた。

 自力優勝の可能性がまたまた消滅した。ゲーム差7まで広がった宿敵には、残り5戦の直接対決に全勝しても追いつけない。指揮官は「何が起こるか分からない。選手たちも諦めていないので」と力を込めた。消化試合にするには、まだ早すぎる。【近間康隆】