<ソフトバンク5-1ロッテ>◇29日◇ヤフオクドーム
動いて止めた。約3カ月ぶりに1軍昇格したソフトバンク明石健志内野手(27)が決勝の1号3ランを放った。2軍戦との「ダブルヘッダー」に7番一塁で即先発し、同点とされた4回に勝ち越し弾。不調で4番から6番へ降格した松田の犠打も絡んだ。1安打投球の先発大場も4回途中で下げ、秋山幸二監督(51)の荒療治がはまる連敗阻止。楽天田中退治に勢いはつけた。
ズバッと起用し、ズドンで決まった。3カ月ぶり出場の明石の3ランが決勝点。秋山監督は「たまたまだろ」と会見を低い声で切り出し、表情は険しい。チームに燃えるものがなく、連敗していた。1つの勝利では喜べなかった。
勝つため、動いた。楽天にマジック点灯を許した前夜から考え、3カ月続けた4番松田を6番に下げた。「結果が出ていない。つながりというところがある。自分のポジションは自分でつかみ取らないと。調子のいい人がいけばいい」。3年目柳田を初の4番に。「2軍で状態が良かったから」と明石を呼び寄せ、先発に踏み切った。
同点とされた直後だ。4回1死二、三塁。その明石が西野の初球、真ん中高めの直球をひっぱたき、右翼席まで届けた。ヒーローとしてお立ち台に呼ばれたが、指揮官の見方は少し異なる。「あの状況。マッチ(松田)がバントして二、三塁でピッチャーにプレッシャーをかけたから。初球、思い切って打ちにいっていい方向にいったんじゃない」。元4番の身をていした2年ぶりの犠打が絡んだことを強調した。
もちろん殊勲打は光る。右足のけがで3カ月も離脱。昨年135試合に出場し、戦力と見ていた首脳陣には誤算だった。シーズン最終盤に間に合った明石は「毎年毎年リハビリしている感じですが、野球ができて本当に幸せです」と日焼けした顔で笑った。午前7時起きで、2軍戦で3打数1安打。その後、西野対策で招集された。藤本打撃コーチは「西野は低めに来るのでその見極めが重要だが、明石はローボールヒッターだし、あう」と説明した。
前夜の秋山監督は「せっかく上位とやるんだから、もう少し積極的に。どんどん集中して燃えていかないと」と漏らし、選手たちに「チャレンジャーなんだ」と訴えた。打線改造に加え、4回には1安打投球の大場を早期交代と、勝つための意思は動きとなった。
今日30日から南海のユニホームをまとって楽天3連戦。相手が開幕18連勝中の田中との問いにも「全試合大事だよ」と独りごちるように言った。派手でなくてもいい。ここからのラストスパートに底力を込める。【押谷謙爾】



