左第5中手骨を亀裂骨折している日本ハム中田翔内野手(24)が30日、完治までの期間限定で「禁酒」を宣言した。「飲みたいけど、飲めない」。チーム内でも1、2を争う酒豪で知られるが、早期の1軍復帰へ向けて妥協はできない。「アルコールを飲むと患部が腫れることもあるし、周りからも良くないと言われるしね」。早く治したいという一心で、21日楽天戦での負傷後は一切、酒類を口にしていないという。

 食から骨の再生を促進させる。この日から、2軍施設のある千葉・鎌ケ谷でリハビリを再開。右手でスローイング、65センチの短いバットを持ってのティー打撃などを行った。固定されたままの左手が使えるようになるには、9月10日か11日に予定される再検査で骨の再形成が確認されなければならない。「食事にも気を使っているよ」と、骨折にいいとされる納豆は毎朝食べている。また、炭酸飲料も、周囲の意見を聞いてアルコール同様に控えている。

 好物を断ってでも、今季中に復帰を果たしたい。「みんなに『翔が帰ってくるまで』と言ってもらえて、本当にうれしいから」。チームメートの声が伝わる度に、1日でも早くと復活への思いがたぎってくる。「できる限りをやりたい」と酒断ちだけでなく、下半身を中心に体を鍛え直すつもり。若き4番の純な思いが通じれば、きっと1軍での勝利の美酒が待っているはずだ。【木下大輔】