<阪神0-3広島>◇30日◇甲子園

 阪神の攻撃的な「スペシャル守備網」は報われなかった。試合開始前のスタメン発表。いきなり「1番サード西岡」と読み上げられると甲子園がざわついた。二塁は2番上本だ。2回、真新しい布陣が奇襲にあった。1点先制されて、なおも1死一塁。木村が初球にセーフティーバントを三塁前へ。西岡剛内野手(29)は必死に前進したが足が絡んで転倒してしまった。

 西岡

 (三塁は)初めてなので。(足が)もつれた感じ。そこから点が入ってしまったので。上本は必要な選手。スムーズに試合に入ってストレスを軽くできたらということです。

 この回3点が入り、致命傷になってしまった。西岡の三塁守備はプロ入り初めてだ。米国でプレーした11、12年も1度もない。前カードの巨人3連戦中、試合前に三塁でノックを受け、一塁に送球する練習を行っていたとはいえ、不慣れなのは間違いない。チーム事情が絡んだ苦肉の布陣だった。

 和田監督

 上本が入るときに、という布陣。固定するということじゃない。上本の状態もある。大和が抜けて、足を使えないなかで何とか足を、という布陣。

 大和が死球骨折した後、思うように機動力が生かせない。左足首の負傷が癒え、29日巨人戦で今季初出場した上本の守備の負担を減らす意図があった。首脳陣の方針には上本も「僕はそんなレベルじゃない」と話す。この日は機能しなかった。それでも積極的に動いて、活路を切り開くしかない。【酒井俊作】