<ロッテ4-3日本ハム>◇1日◇QVCマリン
まだ、あきらめない。ロッテがサヨナラ勝ちで3連勝。自力優勝が復活し、首位楽天のマジックを消滅させた。3-3で迎えた9回2死二塁から根元俊一内野手(30)が左翼線に殊勲打を落とした。伊東勤監督(51)の1点を奪いにいく采配が決まった。3点ビハインドの5回は、無死一塁からの送りバントが同点につながる。9回は2死一塁からの二盗が、劇的な逆転勝ちを呼んだ。
伊東監督が意気揚々と引き揚げてきた。「久しぶりに鳥肌が立った。全員で勝ち取った」と、感無量の表情でサヨナラ劇を振り返った。着ているのが往年のオリオンズのユニホーム。「僕がやっていた頃は弱い印象だったけど、これ最高じゃない」と、おなかの部分を引っ張って眺めながら笑った。
1点を追い求めた。その積み重ねが逆転勝利を生んだ。まずは5回の同点だ。3点差だが、無死一塁から鈴木に送りバントのサインを出す。「向こうのペースだった。大量点は望めない。まずはスコアリングポジションに送って1点を取りにいった」と説明した。この後、相手の失策もあって1点を返し、さらに井口が左翼線に同点の2点適時打を放った。
最後は勝負をかけて、1点を奪いにいった。9回1死一塁から岡田が送りバントを失敗して投飛に倒れた。嫌な流れとなったが、打者根元の時に一塁代走の伊志嶺が果敢に二盗。これが決まる。根元がファウルで1球粘った後、2ボール2ストライクからの6球目をしぶとく左翼線に落とした。「伊志嶺がよく決めてくれたし、打球も一番いいところに飛んでくれた」と、会心の幕切れを振り返った。
ベンチを飛び出すナインから一、二塁間でつかまりそうになったヒーローの根元は手で制した。「足踏まれると痛いんで」。7月下旬に左太もも裏痛で2軍に落ちた。復帰までに1カ月近くかかった。その間、1軍の試合を欠かさずチェックしていた。「戻ったときに流れが分かるようにイメージしていました」。
仙台での楽天との首位攻防で3連敗した8月25日夜。チーム全体が意気消沈する中で行われたミーティング。そんな中で根元は「また明日から頑張ろうと。僕は救われた気持ちになりました。メンタル的な部分で楽になった」と前向きにとらえることができた。失速してもおかしくないところから5勝1敗で息を吹き返した。「今日から9月。ここからが勝負。いいスタートが切れた」。根元の気持ちはナイン全員の思いだ。【矢後洋一】



