行かなきゃ、ヤバイ!

 広島前田健太投手(25)が2日、CS進出へ正念場を迎え「警鐘」を鳴らした。07年から導入された、クライマックスシリーズ初出場が現実味を帯びてきた。だが、昨年も好位置に付けながら、9月に大失速。同じ過ちを繰り返さないために声を上げた。今日3日からの4位中日との3連戦(マツダスタジアム)でも初戦を託された。エースが本気モードに突入する。

 もはや、願望ではない。使命だ。前田健が「本番はここから」と、ついにスイッチを入れた。9月に入り、4位中日とは2ゲーム差。決して、気を抜ける状況ではない。直接対決3連戦を前に、自分に言い聞かせるように口を開いた。

 「(CSに)昔は行ってみたいと思っていたけど、行かないとヤバイなという感じ。チャンスがあるのに行けないと、またズルズルと何年も、十何年もBクラスが続くんじゃないかと。1回行けば変わると思う」

 エースは危機感を募らせている。近くに見えて、遠いクライマックスシリーズ。同じ過ちは繰り返せない。昨季は8月28日に4位ヤクルトに3・5ゲーム差を付けた。この試合で勝ち投手になった前田健は、「今年は絶対CSに行かないといけない」とお立ち台で誓った。だが9月に入ると状況は一変。ヤクルトに3タテを食らうなど、9月に6勝17敗1分けの大失速。15年ぶりのAクラス入りを逃した。悔しさを経験したチームの変化も感じている。

 「去年は行けると思っていた。悔しい思い、情けない気持ちとかがある分、(今年は)戦い方が違う」

 ここ6カードで、5度勝ち越しとチーム状態は良好。その要因は、週初めに君臨し、後半戦に入って6戦無傷の4勝を挙げるエースの存在が大きい。今季中日戦は2戦2勝、15イニング連続無失点とライバルとの相性も抜群。先週4勝1分け1敗と勢いに乗る相手にもひるむことは一切ない。

 「僕相手ではないし、自分が投げる球にどう反応するか。調子がいい打者を崩せば、後の戦いにもつながってくる」

 エースが及ぼす影響力を自覚している。勝負の9月。野村監督も「ここからね。選手はみんな分かっている」と引き締めた。CSが導入された07年以来、いまだ1度も開かない扉をこじ開ける。【鎌田真一郎】