右肩関節唇損傷から完全復活を目指して2軍でもがいている日本ハム斎藤佑樹投手(25)が、9月に入りペナントレースも佳境に入った現在の心境を激白した。6月に実戦復帰してから2軍戦で7試合に登板。1勝3敗、防御率6・84と苦しんでいる。次回はチームのレギュラーシーズン終了まで1カ月を切った7日のプロアマ交流戦・社会人セガサミー戦(鎌ケ谷)で登板。今季中の昇格が微妙な状況となる中、佑ちゃんが1軍復帰への思いと、来季以降を見据えた胸中を明かした。

 佑ちゃんが6月22日に実戦復帰してから、約2カ月が経過した。打ち込まれる試合も多かった。7度目の登板となった8月27日西武戦で今季初勝利。1軍復帰への光が見えてきたが、気づけばカレンダーは9月に突入した。チームのレギュラーシーズン終了まで約1カ月に迫っている。

 斎藤

 今は、2軍でうまくいっていますけど、1軍に行ってうまくできるかは分からないという気持ちがある。もちろん上で投げたいですけど。

 1軍復帰へ向けた課題は明確だ。右肩に負担のかからない投球フォームの完成度が低い。練習では体重移動もスムーズに威力のある球がいくが、試合になると確率が落ちる。「ピッチング練習って、ストレスなくできるじゃないですか。だから、うまくいくことも多いですけど、試合ではそうはいきません」。打者や走者、試合状況などで未完成のフォームが崩れてしまう。その中で結果もというジレンマも感じていた。

 8月14日のBCリーグ新潟との練習試合。4回1/3を投げ10安打7失点だった。ほとんどが直球を打たれた。試合後の斎藤は「結果を見てしまうと今日の課題がぶれてしまう」と話した。しっかりと投げられた直球は、打者の反応も違ったという。「方向性は間違っていない」と、課題とともに収穫を感じ取っていた。

 1軍で投げたい気持ちは当然ある。ただ、心の片隅に引っかかりを感じる。昨季は開幕投手も務めるなどトップレベルを知るからこその苦悩。次回は7日のセガサミー戦で先発予定。1軍のリーグ戦も残り1カ月を切る。今季初昇格への状況は厳しいままだ。一方で、来季以降にも目線は向いている。

 斎藤

 肩が治ってからの試合経験が、他の選手に比べたら僕はまだ少ないです。来年につなげるためにも、どんどん投げたいです。

 10月7日から宮崎でフェニックスリーグが開幕。そこで実戦経験を積み、未来へつなげたい思いも強い。千葉・鎌ケ谷の室内練習場で黙々とネットへ向かって投げる日々が続く。1日も早い1軍復帰と、さらにその先を見据えながら、斎藤は毎日を過ごしている。【木下大輔】<斎藤の故障後登板>

 ◆6月22日

 2軍のフューチャーズ戦(鎌ケ谷)で先発し、昨年の日本シリーズ第5戦以来、233日ぶりの実戦登板。2回1安打無失点と好投。最速は136キロだった。

 ◆6月30日

 イースタン・リーグのロッテ戦(鎌ケ谷)で2番手で登板。3点本塁打を浴びるなど打ち込まれ、2回4安打4失点(自責4)。最速は136キロ。

 ◆7月7日

 2軍交流戦・阪神戦(鎌ケ谷)に3回から2番手で登板。3回1安打1失点だった。1奪三振で最速は、前2試合の登板と同じく136キロ。

 ◆7月15日

 イースタン・リーグの巨人戦(鎌ケ谷)で3回2/3、75球で3奪三振。3四死球とやや乱調も響き、1本塁打を含む3安打3失点で降板した。最速は138キロ。

 ◆8月2日

 イースタン・リーグのヤクルト戦(戸田)で先発。5回を10安打2四死球の4失点、球数は70、最速は140キロだった。

 ◆8月14日

 BCリーグ新潟との練習試合(鎌ケ谷)に先発し、4回1/3を10安打7失点(自責6)最速は141キロ。球数は故障後最多となる91球。

 ◆8月27日

 イースタン・リーグ西武戦(鎌ケ谷)に先発。5回を6安打、3四球ながらも3三振を奪うなど要所を締めて1失点(自責1)にまとめ、故障後初勝利を挙げた。最速は141キロ。