<巨人3-3ヤクルト>◇3日◇富山

 延長戦になったらこっちのもんだ。またもや巨人が強さを見せた。最後を締めたのは「スコット鉄太朗」。マシソン、山口、西村の3人で10~12回は盤石の構えだった。これで5月12日のDeNA戦(新潟)以来、延長に突入した試合は10戦負けなし。引き分けで優勝マジックを18に減らした。

 9回に勝負をかけた采配を重ねた。1死二塁。真っ向勝負を続けてきたバレンティンを迎えると、迷わず敬遠した。「俺たちは勝つために試合をやっている」。原辰徳監督(55)の言葉は明確だった。1点勝負の試合展開。空いている一塁。勝つために歩かせた。2死満塁とピンチを広げると、一岡をマウンドへ送った。スピンの効いた直球とフォークで三振が取れる投手。暴投のリスクより、空振りを取れる長所にかけた采配。一岡も期待にこたえてみせた。

 攻撃では2死一、三塁の初球に手を打った。一塁走者の坂本を走らせた。相手バッテリーはクイックの速い石山と強肩の中村。三塁走者の鈴木がプレッシャーをかけ、送球もさせなかった。打席にいたロペスが敬遠され、チャンスは満塁に広がった。同点適時打を放った代打矢野は今季、満塁では12打数6安打と無類の強さを誇る。そこにつなげる逆算の盗塁だった。

 強固なリリーフ陣への信頼を盾に、次々手を打った。それでも「3点、よく取ったと言うべきか。4点目が重いね」。引き分けという結果には満足しなかった。最近、原監督が読破した百田尚樹氏の著書「モンスター」には、復讐(ふくしゅう)という陰湿な執念が描かれていたが、指揮官が執念を燃やしたのは勝利を追求するということのみ。最後まで勝利を求めたからこその引き分けだった。【竹内智信】