守道竜が、特大のニンジン作戦でマエケン撃破を狙う。3日の広島戦は雨天中止となったが、相手先発の前田健は今日4日にスライドする。今季15回無得点で2戦2敗中の天敵にも、高木守道監督(72)はニヤリだ。「クラークのホームランに期待しとるよ。打ったら来年残すと言うといて!」。何とマット・クラーク内野手(26)がマエケンから1発を打てば、来季契約を更新するというのだ。

 チームトップ22本塁打と和田に次ぐ63打点をマークしているが、去就は未定の大砲。今季限りで退任する指揮官が、外国人の来季を決めるなんて前代未聞だ。もちろん守道流のジョークだろうが、それほど勝ちたい思いは強いようだ。

 「1勝1敗でいいけど、頭を取れりゃあ楽。でもマエケンに連打連打は期待できん」とする監督の頼みは、ホームランを打てば15連勝中のクラーク神話。「ドラゴンズが大好きだし、来年もプレーしたい」と残留を熱望する助っ人の気持ちを知った上で、とびきりの発奮材料を用意だ。

 雨天中止で「3連敗せずに済んだ」と笑わせると、追加日程で組まれた10月3日の決戦を予言。「今日流れた試合に勝った方がAクラス、という試合になるよ」。前回監督の94年に巨人と優勝を争った伝説の10・8ならぬ、広島と3位をかけて10・3決戦?

 その日も前田健が来る可能性がありますが…「そうなりゃこっちもオールスターで総力戦や!」。10・8で長嶋巨人に槙原、斎藤、桑田のオールスター継投で敗れたリベンジも果たす?

 打倒マエケンへ、守道方式は超ノリノリの思考回路だ。【松井清員】