<楽天0-0西武>◇4日◇Kスタ宮城

 引き分けも、今後への好材料となった。楽天美馬学投手(26)が、8回5安打無失点と好投した。140キロ台後半の直球と、カットボールを駆使し、西武打線に的を絞らせなかった。前回登板した8月28日のオリックス戦でも6回1失点。2試合連続の好投で調子を上げてきた。2位ロッテが負けたため、チームはゲーム差を4・5に広げた。

 こん身の力を振り絞り、美馬は腕を振った。0-0の8回、1死から連打を浴び一、二塁のピンチを招いた。打席には代打大崎。3球目、内角球で詰まらせ、遊ゴロ併殺に打ち取った。グラブをポンとたたき、右拳を握って激しくガッツポーズを決めた。8回5安打無失点で勝敗はつかなかったが、「勝ってはいないですけど、負けていない状態で(2番手投手に)渡せたのは良かったです」と胸をなで下ろした。

 140キロ台のカットボールで、ことごとくバットの芯を外した。この日、24個奪ったアウトのうち、14個が内野ゴロだった。特に、左打者に対しては「直球がカットしていたのが、良かったのかなと思います」と、してやったり。「しっかり抑えたいところで抑えられた」と手応えも口にした。これまではカーブ、スライダー、シュートが球種にあったが、カットボールが加わり、幅が広がった。

 欠点を長所に変えた。カットボールについて「カットしちゃうときもあれば、カットさせてるときもあるんですよ」と明かした。もともと、直球がスライダーの回転で少し曲がる癖があった。左打者に対しては、外角へ狙った球が真ん中に曲がって甘くなる癖は、投手にとっては致命的。だが、それを内角に投げることでカットボールとして有効になった。

 8回の大崎に投げた最後の1球は、直球のサインだった。「曲がってくれ~」と願いながら投げると、少し曲がった。自然とカットボールとなり、大崎の内角に食い込んだ。「ヨッシャ~って感じでしたよ。ラッキーでした」と笑った。

 これで、先発で2試合連続の好投。エース田中、ルーキー則本に次ぐ先発の3番手として名乗りを上げた。「これを続けていきたい。次は勝ちにつなげたいですね」と頼もしく話した。美馬にとっても、チームにとっても収穫のある投球だった。【斎藤庸裕】