来季2年目を迎える森脇オリックスに強力バックアップ体制が敷かれる。瀬戸山隆三球団本部長補佐(59)が今秋ドラフトから編成部門の陣頭指揮をとることが6日、分かった。ダイエー、ロッテを優勝に導いたチーム強化のスペシャリストが、続投する森脇監督をサポートする。

 オリックスはこれまで村山良雄球団本部長(67)が編成部門を統括していた。だが、パ・リーグの理事長を務めるなど多忙な事情もあり、経験豊富な瀬戸山本部長補佐を実質的に編成のトップに置く運びとなった。村山本部長は今後編成から離れ、理事業務に専念。シーズン終了後にも瀬戸山本部長補佐に「GM」などの新ポストが用意される見通しとなった。

 瀬戸山本部長補佐は、かつてダイエー、ロッテのフロントとしてチームを4度の日本一に導いた球団経営のスペシャリスト。ダイエー時代はドラフトで小久保、井口、城島らを獲得すると、トレードで秋山、FAで工藤らを獲得するなど辣腕(らつわん)を振るった。04年からはロッテのフロントとして、8年間で2度の日本一を経験。今季からオリックスに加入し、主に営業面を担当。編成に関与することは少なかった。

 オリックスは来季、本社創立50周年を迎える。常勝軍団復活は節目の年の最重要課題。命運は瀬戸山本部長補佐の手に、託されることとなった。

 ◆瀬戸山隆三(せとやま・りゅうぞう)1953年(昭28)9月18日、大阪市出身。大阪市大卒業後、ダイエー入社。南海ホークス買収に携わり、88年福岡ダイエーホークスに出向。93年坂井保之代表の退任に伴い代表職に就く。03年退団、04年からロッテで代表、06年社長を務め、チームを日本一に。経営赤字の体質改善にも尽力した。04年球界再編の際は、選手関係委員長として選手会との調整役に奔走するなど、球団経営のプロとして知られる。11年に退団し今季からオリックスの球団本部長補佐に就任。