<ヤクルト2-0阪神>◇14日◇神宮

 阪神マット・マートン外野手(31)は闘志をむき出しにした。両チーム無得点の6回2死、左中間二塁打で出塁。2死二塁から福留の中前打で三塁を蹴った。前進守備していた上田がノーバウンドでホームにストライク返球。アウトのタイミングとなり、両腕から猛タックルを仕掛けた。

 マートン

 なんとかセーフになろうと一生懸命だった。捕手がプレート上にいれば、なんとかして点を取ろうとしないといけない。

 直後、ボールを離さなかった捕手相川に突き飛ばされた。もみ合う形となり、最後は両手を上げて後ろに下がったが、両軍入り乱れて乱闘騒ぎになった。2人そろって暴力行為と取られ、今季2度目の退場宣告を受けた。「自分から仕掛けたわけじゃないし、逆に後ろに下がったんだけど」。タックル自体に問題はなかった。和田監督は「(処分は)こっちも『はい、そうですか』と受け入れられるプレーじゃない」と擁護した。

 5月12日ヤクルト戦でもホーム突入時にタックルを仕掛け、捕手田中雅が左鎖骨を骨折している。貪欲に勝利を欲するが故の熱いプレーという認識だ。「ケガをさせたいわけじゃない。ケガしていないことを祈っているけど、捕手がプレート上にいる以上、ああいう形になる」。試合後は穏やかな表情で振り返った。チームのため、今後も体を張り続ける。【佐井陽介】

 ▼マートンの退場処分は、8月14日広島戦(京セラドーム大阪)に続き今季2度目。同一シーズンに2度の退場は、阪神では07年岡田彰布監督以来だが、選手に限ると2リーグ分立後初。12球団では今季DeNA中畑清監督以来で、選手では12年ヤクルトのミレッジ以来。なお在籍中に複数回の退場処分となった外国人選手は、ブラゼル(10、12年各1)に次ぎ2人目。