「虎狩り」なんて言わせない。阪神の巻き返しのポストシーズンが始まる。9月の大失速も、過去3回のCS敗退も、もう、全て過去のもの。前しか向かない猛虎戦士は、青空の甲子園で最終調整した。指揮官は入念なバッテリーミーティングで30分遅れて登場。いよいよ始まる日本一への道へ、気合十分だった。

 和田豊監督(51)

 9月のふがいない戦い(の悔しさ)を一気に晴らすというか、躍動感を見せていきたい。過去のことは過去のこと。新しいチームで臨んでいる。CSを勝ち上がって一番上に立った選手もいるので、引っ張っていってほしい。

 手を尽くす。まずは、広島のエース前田健が立ちはだかる。今季6戦で1勝4敗、防御率0・40と封じ込まれた。巨大な壁を倒すために、並べるのは打倒マエケンのオーダー。相性のいい坂克彦内野手(28)と今成亮太捕手(26)を先発起用し、福留孝介外野手(36)を中堅に置く「マエケン・スペシャル」にする。8日DeNA戦では、同じタイプの三嶋を攻略して景気づけたばかりだ。

 今成はシートノックで右翼から一塁と動き回った。前田健に9打数5安打3四球。「これ、っていうのは言えない」とけむに巻きながら「頑張ります」と気合を込めた。センターだけでノックを終えた福留は「自分たちの気持ちが引いたら終わり」。数々の修羅場をくぐってきたベテランは、攻める心構えを説く。

 力強い現象がある。今季はデーゲーム39試合で23勝15敗1分け。勝率6割5厘は、昼間の試合に限れば12球団トップの勝率だった。太陽に照らされる虎は、やはり強いのだった。

 前日10日は大阪市内で決起集会を開いた。準備万端、モチベーションも十分に高まった。和田監督は「キャンプから打倒巨人でやってきた。リベンジのチャンスはあるし、もう1回チャレンジしたい」と鼻息も荒い。甲子園の先に見えるのは、強き宿敵の姿。挑戦権をつかむ、負けられない戦いがスタートする。【近間康隆】