<フェニックスリーグ:韓国ハンファ7-10日本ハム>◇17日◇サンマリン宮崎

 パ・リーグのCSファイナルステージ開幕の裏で、佑ちゃんが右肩関節唇損傷からの完全復活へ1歩前進した。日本ハム斎藤佑樹投手(25)が、韓国ハンファ戦に先発。故障後最長の6回を投げ、6安打3失点だった。「達成感がありますね」。予定のイニングを投げ切り、それなりの結果を残せたことに充実感があった。

 無残なKO劇にも、志はぶれなかった。10日のオリックス戦では、5回途中で自己ワースト11失点(自責7)。直球を球速以上に速く見せ、変化球を打者の近くで変化させる。来季へ向けて取り組むテーマすら揺らぎそうな内容にも己を貫いた。「信念を持って、やった結果が今日」。方向性が正しいことを確認した。

 つかんだ手応えを、2年前に経験できなかった舞台へつなげる。新人だった11年、チームはレギュラーシーズン2位でCSに進出。斎藤はファイナルステージで先発する可能性があった。ファーストステージ開幕の日は、調整のためフェニックスリーグで先発。登板後は宮崎から空路移動し、経由地の羽田空港ではチームのリードを確認していた。しかし、新千歳空港に到着すると、逆転負けの一報が…。翌日の第2戦も落とし、CS初先発が消えた。

 昨年は不調でCSは登板なし。日本シリーズ第5戦で中継ぎとして登板したが、不本意な結果に終わった。今は復活途上の自分と、とことん向き合うつもり。楽天とロッテの戦いも「見ないです」。この日の失点シーンは、いずれも味方の援護の直後など課題もある。ただ、故障から復帰後はともに最多となる102球、6奪三振という内容に「このフェニックスリーグで、つかめるかなと思う」。感じ取った完全復活への道筋。迷うことなく突き進み、1年後はプロ野球界の頂点を目指す戦いの中心で輝く覚悟だ。【木下大輔】