<パCSファイナルステージ:楽天2-0ロッテ>◇第3戦◇19日◇Kスタ宮城
ロッテは反撃ののろしとなるはずだった最後のチャンスは、あえなく併殺に終わった。井口資仁内野手(38)が四球を選んだ9回、ロッテはこの日初めて回の先頭打者が出塁した。打席には4番今江敏晃内野手(30)。これ以上ない打順の巡り合わせも、シュートを打ち損じてまさかの二併殺だ。好機を広げるどころか正反対の結果となり、楽天に日本シリーズ進出王手をかけられた。
美馬の変化球を打ちあぐねた。伊東監督は「適当に荒れていて、狙いを絞りきれなかった。もうちょっと積極的に打ってくれるかと思ったけど」とお手上げ状態。6回の攻撃前にも円陣を組み、スライダーの見極めを徹底したが、たまにくる直球で内角を攻められると踏み込みが浅くなった。
シーズン中より変化球多めの配球にも、井口は「プレーオフになったらミーティング通りの球は来ない」と言い訳はなしだ。3、4番の無安打が象徴するように、大砲不在のつなぐ打線が連打ゼロ。前日2打点の活躍でスタメン復帰したブラゼルも抑えられた。今江は4打席すべて変化球で仕留められ「曲がりが思っていたより大きかった。僕の力不足です」。今季防御率10・57と苦手のKスタ宮城で力投した古谷を、援護できなかった。
ファーストステージも含めると、CS3度目の0封負け。いずれも三塁を踏めず窮地に追い込まれたが、ロッテが強いのはここからだ。西武第3戦、楽天第2戦と、完封された翌日は開き直って快勝した。指揮官も「明日は勝つな。毎日後がない気持ちでやってるから」と吉兆を感じている。
「史上最大の下克上」とうたわれた10年も、1勝3敗と崖っぷちからの3連勝で日本シリーズ進出を決めた。経験者の里崎は「最初から追い込まれたなんて思ってない。ノーリスクにプレッシャーはないんだから」と笑い飛ばした。今季何度も、負けたら終わりの戦いを切り抜けてきた。奇跡をもう1度-。大逆転劇を知る男たちが、真価を発揮する時だ。【鎌田良美】



