広島今村猛投手(22)が“休養術”を手に入れる。フェニックスリーグに参加するため、20日に広島から宮崎入りした。実戦登板ではなく体のケアに重きを置く。今季はWBCに出場した影響もあり、シーズン通して投球の安定感を欠いた。それでもチーム唯一の3年連続50試合以上登板を記録。フル回転の若き鉄腕は南国で、酷使してきた体をいたわる。

 休むことも仕事だ。CS敗退から、わずか1日のオフをはさみ、今村は宮崎に移動した。フェニックスリーグに参加するためだ。ただ、目的は実戦登板ではない。

 「体を休めることです。2軍のトレーナーやコーチも、体のことを分かってくれているので。ブルペンには入ると思いますけど、球数制限をしながらやっていきたい」

 1軍は28日からの秋季練習まではオフだ。その間は、自由に時間を使うことができる。だが、2軍が実戦を行う宮崎ならば、知識豊富なトレーナーがいる環境で、専門的に体をケアすることができる。南国への派遣は、首脳陣の配慮とも言える。

 22歳とはいえ疲労の蓄積は隠せない。ただでさえ、例年よりも長かったシーズンだった。3月のWBCにも出場した右腕にとっては、想像を絶する過酷さがあった。

 「去年の秋からずっとですから。さすがにしんどいです」

 昨年11月に行われた、キューバとの強化試合に日本代表として選出された。活躍を評価され、WBC本戦でも代表入り。そのために、オフも実戦を意識した調整に終始。今季の防御率(3・31)が、昨季から1・42も跳ね上がった一因となった。2度の2軍落ちも経験したが、その中でもチーム唯一の3年連続50試合以上登板をマーク。4年目の右腕には、がむしゃらに投げることで精いっぱいだった。

 「今季は結果ばかりを求めすぎた。いつも疲れを感じていたわけじゃないですが、休みも大切だということが分かりました」

 長いシーズンを戦い抜くには、マウンド同様に、コンディショニングの出し入れも必要となってくる。そのことを、今、身をもって体感。若き鉄腕が“休養術”を身につけ、安定したパフォーマンスを手に入れる。

 ◆球道即人道

 元PL学園監督の中村順司氏(現名商大野球部監督)が座右の銘にしている言葉。野球は人生の一部であり、人として成長するためのものである、という意味。教え子である元ヤクルト宮本慎也氏も座右の銘としており、自身の公式ブログのタイトルにも使用している。