日本ハムが獲得を目指しているキューバ出身の元大リーガー、ホアン・ミランダ内野手(30)がベールを脱いだ。21日、千葉・鎌ケ谷で行われている秋季練習にテスト参加。ヤンキースなどでプレーした左の大砲に、視察した栗山監督は入団を熱望。今季本塁打王の同じキューバ出身のアブレイユともゆかりが深いことが判明するなど、早くもブレークの予感漂うデモンストレーションを敢行した。

 猛ハッスルで未来の新天地で、第一歩を踏み出した。ミランダが時差ボケを物ともせず、アピールを開始した。来日翌日のこの日、早速フリー打撃を実施。49スイングで柵越え3本にとどまったが、豪快でスピードあふれるフォームで周囲を魅了した。「初日だったので、タイミングが取りづらかった」と苦笑いも、上々のスタートを切った。

 合流即、当確ランプが灯った。栗山監督は「ボールが変化しても見極められる」と、日本人投手の変化球にも対応出来る能力を評価。球団もかねて高評価しており、テストの内容に左右されず、このまま契約する方向で最終調整している。指揮官のゴーサインで、さらに来季新助っ人となる可能性が極めて高くなった。

 日本ハムとは運命の赤い糸を感じるような縁もある。アブレイユと実は元ルームメート。キューバ代表時代に同じ釜の飯を食べ、ともに汗を流した間柄。それ以来、電話で近況報告し合い、お互いの活躍を励みにしてきた。同じく亡命し米球界でプレーしメキシコへ。来季再び同じユニホームを着ることになりそうだ。

 事前情報を得ていたミランダも「日本ハムは家族みたいで、すごく野球がやりやすいと聞いていた」と、早くも好感触で入団へ前向きな姿勢を見せた。ヤンキース時代には松井秀喜氏とも同僚。「スイングのことや野球の話を結構した」と、日本球界は身近に感じる存在だった。アブちゃんにならい、ニックネームは「ミロがいいです」と、フライング気味にPRのミランダ。27日までの練習参加で、来季への所信表明をしていく。【田中彩友美】