若手全員が先発目指せ!

 ソフトバンクのファーム投手チーフコーチに就任した山内孝徳氏(57)が21日、ヤフオクドームで会見した。闘志むき出しに通算100勝を挙げた現役時代そのままに熱っぽく語った。「私は現役時代1球に命をかけ、1球に魂を込めてきた。その2つを選手に注入できたら。本音でぶつかっていけば、受け止めてくれると思う」。92年にダイエー引退後、21年ぶり古巣復帰。指導方針を聞かれ、はっきり答えた。

 「全員、先発完投型にしたい。まずはみんなそこを目指して欲しい。田中マー君に負けない選手を育てていきたい。できれば2、3年後には先発完投型を6人そろえ、日本一をとるのが理想」。今季、1軍がCS進出を逃した大きな要因の1つである先発の育成を最大の目標に掲げた。

 そのために11月の宮崎秋季キャンプでは、若手投手陣の体力強化を図るつもり。さらに(1)社会人の自覚を持て(2)プロ意識を持つ(3)技術を磨く、との3テーマを選手に求めていく。

 石渡茂編成・育成部長も「今の若手に欠けている、打者に向かっていくスタイルを注入してもらいたい」と話した。現役時代に対戦した秋山監督も「先発完投型を多く育ててもらいたい」と、熱血漢の手腕に期待した。【大池和幸】

 ◆山内孝徳(やまうち・たかのり)1956年(昭31)8月5日、熊本県生まれ。鎮西-電電九州を経て、79年ドラフト3位で南海入り。野村克也元監督の背番号19を引き継ぐ。82年から7年連続2桁勝利。引退後は野球解説などで活躍。実働12年の通算成績は100勝125敗5セーブ、防御率4・43。球宴3度出場。現役時代は175センチ、79キロ。右投げ右打ち。