巨人長嶋茂雄終身名誉監督(77)が少し寂しげな様子で弔問を終えた。10月28日に死去した元巨人監督川上哲治氏(享年93)の都内の自宅を、この日午後4時すぎに弔問に訪れた。長嶋氏は「言葉をかけなかったが、一生懸命お祈りさせていただきました」とだけ話した。約30分間、故人との別れを惜しんだ。長男貴光(よしてる)氏(67)によると「(長嶋氏は)霊前で凝視していた。時折、はーっと大きなため息をついていました」と話した。
長嶋氏は天皇、皇后両陛下主催の秋の園遊会に出席後に駆けつけた。園遊会では、陛下から「お体の方はいかがですか」と体調を気遣われると、「だいたい60%になっています」と笑顔を見せた。川上氏も話題になり、陛下が「大勢の人を育てられて」とたたえると、長嶋氏も大きくうなずいた。
川上氏の遺影が飾られている応接間はその中でも特別な場所だ。初めて川上氏の自宅に足を踏み入れたのも応接間だった。貴光氏は、巨人入団が決まった後、立大の学生服姿で応接間に座っていた長嶋氏の姿を今でもはっきりと覚えているという。その後、長嶋氏は川上氏の自宅に近いアパートに下宿。貴光氏は「川上は(長嶋氏が)あれだけの選手になることは分かっていたと思うんです。一緒に球場に行ったりして、いろんなことを教えたかったのかもしれないと思う」と振り返った。
巨人軍の父・川上氏とミスター巨人・長嶋氏。同じ4番を背負い、黄金時代を築いた2人の絆は変わることはない。



