日本ハム栗山英樹監督(52)が、あこがれの先人への追悼の陣頭指揮を誓った。巨人V9監督の川上哲治氏死去の悲報から一夜明けた10月31日、同じプロ野球監督としての強い尊敬の思いを抱いていることを激白した。悲報に接して川上氏の過去の偉業などをあらためて心に刻み直した。今季は昨季のリーグ優勝から最下位へと転落した自身の立場に置き換え、心が動いた。「川上さんの(新聞)記事を見て、自分に何が足りないかが分かった」と、襟を正すことを決意した。
沖縄・国頭での秋季キャンプ2日目。栗山監督は目の前の若手たちだけではなく、プロ野球界の伝説の快挙に思いをはせた。「9回勝つって、とんでもないことだよね。想像がつかない。ぜひ、お話を聞いてみたかったなぁ」。川上氏とはスポーツキャスター時代を含め、対面する機会には恵まれなかった。監督という同じ立場に立った者にしか分からない、世界観を共有したかったと嘆き続けた。
心を整理し、自分自身と重ね合わせた。V9の象徴の王、長嶋の「ON」になぞらえた「平成のON」の愛称を持つ大谷翔平投手(19)、中田翔内野手(24)の球界の未来を担う逸材を抱えている。10月24日のドラフト会議ではソフトバンク王球団会長から声を掛けてもらった。「大変だったね」。二刀流の大谷の起用法に苦慮したことを、ねぎらってくれたという。栗山監督は真顔で言った。「(大谷、中田が)V9させてくれるかな。育てる責任があるよね、オレには。2人がいるうちに常勝チームにしていかないといけない」。遠く見えない大きな背中を追い、監督道を追求していく。【高山通史】



