中日が来季の新外国人として、ネルソン・パヤノ投手(31=メキシカンリーグ)の獲得調査を進めていることが23日、分かった。落合監督時代の09年に在籍した中継ぎ左腕だ。その年は34試合に登板して2勝1敗、防御率2・08の好成績。だが1年限りで退団し、ここ2年はメキシコでプレーしていた。球団はこの日までに、中継ぎ右腕のワーナー・マドリガル投手(29)と来季契約を更新しない方針を決定。新セットアッパー候補として、パヤノの可能性を探ることになった。

 パヤノは現在、母国ドミニカ共和国のウインターリーグに参加中。所属するエスコヒードでは、救援を務めて11試合8回2/3を投げ、防御率0・00と安定した成績を収めている。186センチの長身から、最速150キロ前後の速球とスライダーを主体に打者を圧倒する投球は今も健在の様子。中日復帰となれば、手薄だった中継ぎ左腕に厚みが増す。

 09年の中日退団は、条件面で折り合わなかったことが一番の原因。球団は20万ドル(約2000万円)で残留を要請したが、本人の希望は最低25万ドル(約2500万円)。結局両者譲らず、長時間練習にも嫌気が差していたパヤノが、メジャー挑戦を決断した。だが10年にアストロズとマイナー契約したが、結局メジャー初昇格はかなわず。そんな時、メキシカンリーグから日本復帰のチャンスをうかがうパヤノの近況を、球団もいち早く察知したようだ。

 リストアップしているスイッチヒッターのアンダーソン・ヘルナンデス内野手(31=メキシカンリーグ)とともに、獲得調査を本格化。V奪回を目指す谷繁兼任監督のバックアップ体制を整えていく。

 ◆ネルソン・パヤノ

 1982年11月13日、ドミニカ共和国生まれ。00年にブレーブスと契約。マイナーリーグを経て、母国でのウインターリーグで注目され、09年に中日入団。マキシモ・ネルソンとともに開幕1軍に入り、主にセットアッパーとして活躍した。同年オフに退団し、10年はロイヤルズ3Aやアストロズ2Aなどに所属。戦力外となり、12年から今年まで2年間はメキシカンリーグでプレーした。186センチ、87キロ。左投げ左打ち。

 ◆中日の外国人事情

 球団はマドリガルと並び、マット・クラーク内野手(26)とも来季契約を更新しない方針だ。今季はチームトップの25本塁打を放ったが、130個の三振など確実性に欠けていた。ブラッドリー・バーゲセン投手(28)ビクトル・ディアス外野手(31)は既に退団が決定している。残留は、故障で途中帰国するまで首位打者争いを演じたエクトル・ルナ内野手(33)と6勝を挙げたダニエル・カブレラ投手(32)の2人だけ。現在、森繁和ヘッドコーチ(59)らがドミニカ共和国へ渡り、投手と野手の新助っ人獲得作業を進めている。