阪神掛布雅之GM付育成&打撃コーディネーター(DC=58)が、野球用具へのこだわりの重要性を説いた。16日は都内で行われた野球用品製造会社・美津和タイガー社の「虎印復活」記者発表会に出席。用具に対する持論を語った。

 「いまの選手は非常に恵まれた環境だけど、こだわりを、もっと持っていいんじゃないか。自分だけのグラブ、自分だけのバット。そういうこだわりはトップに上り詰めていくほど、強く持つようになる。自分のモデルを作っていく、こだわりは大切なことですね」

 掛布DCには強烈な思い出がある。ベンチで見た、使い古したグラブの持ち主が藤田平(元監督、現野球評論家)だと知ると「タイラさん、どのくらい使っているのですか」と質問。守備の名手として鳴らした先輩は「十何年かな。これじゃないと試合で捕れないんだ」と明かしたという。

 掛布DCは「藤田さんに少しでも近づきたい。僕も1つのグラブを使い続けるとね。手の一部にできるグラブを探したい」と試行錯誤して理想型を模索。プロ4年目から現役を終えるまで12年間、同じグラブを使い続けた。「だからダイヤモンドグラブ賞を6回、とれたんだ」と笑うが、成功するためのヒントだろう。

 来季、三塁のレギュラーを狙う新井良が巨人村田タイプのグラブを新調。これには「村田モデルじゃなく、良太モデルにしないと。味付けしてね」と言う。1本のバット、1つのグラブへの愛情が一流への道だ。【酒井俊作】