最速4億円!

 ソフトバンク摂津正投手(31)が27日、ヤフオクドーム内の球団事務所で契約更改交渉を行い、1億1000万円増の年俸4億円でサインした。来季6年目での4億円到達はイチロー、ダルビッシュ有、田中将大の7年目を抜き史上最速。これでソフトバンクは全選手が契約更改を終えた。(金額は推定)

 年の瀬の大幅昇給に笑みがこぼれた。摂津が代理人を伴ったチーム“大トリ更改”で納得のサイン。「本当に高い評価をしていただいた。自分が思っていた以上」。来季6年目で年俸4億円到達は、ビッグネームを上回って史上最速。球団の投手では杉内を超える最高給となった。

 5年目の今季もフル稼働だった。WBC出場選手の中1人だけ開幕投手を務め、先発ローテーションを守り続けた。「WBCもあり大変な年だったが、自分自身精いっぱいできた」。終盤の4戦は0勝3敗だったが、2年連続15勝。エースとして不安定だった先発陣を引っ張り続けた。

 リーグを代表する投手に成長。日本球界の“顔”としての自覚は芽生えているようだ。今オフ、楽天田中のメジャー移籍が確実な状況で「自分が引っ張っていくとは言わないが、やれるように頑張りたい。マー君は競い合える相手じゃなくなるが頑張って欲しい。また違うモチベーションを探せればいい」と話した。

 来季の目標は自身初の200イニング超え。「近づければ自然と優勝が近づくと思う」。自主トレでは3勤1休のペースで調整。1クールに1度はピッチングを行う。「投げることを多めにしたい」。投げる体力を養うには、ランニングもいいが、まず単純に投げることが大事との考えがある。来春キャンプでも来春キャンプは1日最大300球を投げ込むつもりだ。

 今オフのチームの大型補強を「心強い」と歓迎した。11月に結婚したことも背中を後押しする。「家族もできたし、それを励みにしたい。今年以上の成績を残して秋山監督を胴上げしたい」。初年度1200万円だった年俸は5年で33倍以上。プロ生涯賃金は来季で10億円を突破する。ドラフト5位入団からのサクセスストーリーは、まだまだ続きそうだ。【大池和幸】

 ▼摂津が4億円で契約更改。08年ドラフト5位で入団し来季が6年目になるが、6年目で4億円到達は年数で史上最速となった。これまでの最速は98年イチロー(オリックス)11年ダルビッシュ(日本ハム)13年田中(楽天)の7年目。プロ6年目の過去最高年俸は10年ダルビッシュの3億3000万円だった。

 ▼球団では松中、城島の最高5億円に次いで3人目の到達。投手では初。日本人選手の来季年俸では巨人阿部6億円、巨人杉内5億円に次ぎ、巨人内海と並んで3番目の高額。田中の今季年俸は4億円で、摂津はリーグ最高額となることが確実視される。