西武が、FAで移籍した涌井、片岡の人的補償として、巨人、ロッテ両球団から選手を獲得することが6日、分かった。鈴木本部長がこの日、両球団に獲得する選手を伝えたことを明かし「フロントと監督の意見が一致したので、すんなり決まりました」と説明した。巨人から脇谷亮太内野手(32)、ロッテからは中郷大樹投手(29)を獲得するとみられる。

 脇谷は内野の複数ポジションをこなせる上に、勝負強い打力も大きな持ち味。力勝負の傾向が強いパ・リーグで、力量を発揮する可能性は十分にある。西武の内野陣は片岡に加え、三塁を守ったヘルマンもオリックスに移籍し、やや手薄な状況。巨人のヘッドコーチ時代から能力を高く評価していた伊原監督が、白羽の矢を立てるのは自然の流れだった。球団も、片岡が背負ってきた背番号「7」を用意。レギュラー格として大きな期待をかけている。

 中郷もチーム事情に即した補強になる。岸、牧田、菊池を中心とした先発陣はリーグ屈指の分厚さを誇る。ただ昨季もやりくりでしのいだように、中継ぎ陣は盤石とは言えない。中郷は昨季37試合に登板し、自己最多となる15ホールドを記録した。140キロ台後半の直球に加え、鋭いスライダー、フォークボールを駆使する変則右腕の加入で、勝ちゲームの終盤に計算が立つ。

 両選手の獲得は、今日7日にも西武から発表される。投打の中心選手が抜けた穴を実力者で埋め、伊原西武がスタートする。

 ◆脇谷亮太(わきや・りょうた)1981年(昭56)11月4日生まれ。大分県出身。柳ケ浦では2年夏に甲子園でベンチ入り。日本文理大では大学選手権で優勝しMVP。NTT西日本を経て05年大学・社会人ドラフト5巡目で巨人入団。10年にセ・リーグ記録の15試合連続得点。12年は右肘故障で育成契約も13年に支配下復帰。通算530試合、打率2割5分5厘、12本塁打、110打点、59盗塁。176センチ、74キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸2400万円。

 ◆中郷大樹(なかごう・たいき)1984年(昭59)9月21日生まれ。徳島県出身。那賀-JR四国を経て、06年大学・社会人ドラフト6巡目でロッテ入団。プロ6年目の12年に初勝利。昨年は37試合2勝2敗15ホールド、防御率3・31。通算127試合5勝4敗0セーブ21ホールド、防御率3・18。178センチ、75キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸2510万円。