ソフトバンク内川聖一外野手(31)が“原点”で首位打者奪回を打ち立てた。11日、宮崎・日向市のお倉ケ浜総合公園での合同自主トレを公開。かつての近鉄キャンプ地で、内川が生まれて初めてキャンプを見学した思い出の場所。チームの日本一と、昨年タイトルに輝いた長谷川との首位打者争いを誓った。
小学低学年の頃、父一寛さんに連れられたお倉ケ浜に帰ってきた。かつての近鉄キャンプ地。内川はライト芝生席を指さして「ちょうどあの辺で鈴木貴久さんからボールをもらいました。初めてだったのでよく覚えています」と懐かしんだ。仰木監督が猛牛打線を鍛え、内川少年がプロへの憧れを抱いたゆかりの地で安打マシンは誓いを立てた。
「常に1番でいたいのは誰もが思うところ。目の前にああいう成績を残した人がいるのはありがたいこと。いい意味でハセに負けないぞと。敵対意識はないですよ。でもあいつも打ったし、おれも打つと。そういうものをつくりだせれば」
ハセとは長谷川。昨年首位打者と198安打でリーグ最多安打を獲得した左の好打者にいい意味の挑戦状を送りつけた。しのぎを削り合うことがチームの勝利にプラスに働くと考えたから。そして、WBCを控えて早期調整だった1年前と比較して「去年の感覚と比べると今年の方がいい」という仕上がりの良さもある。「精神的に落ち着いてやれている」と顔も声もすこぶる明るい。
砂浜ダッシュで「意識にない筋肉を使える」と下半身をいじめると、フリー打撃では参加メンバーの中で1人だけ打音が大きく、鋭い打球を飛ばした。フォームはトップへ運ぶ前に脇を絞り込むしぐさでグリップを体の正面に置き「構えの前のスタートの意識」を強めたものに微調整しただけ。最多安打を獲得した12年以来のタイトルを狙える心と体の仕上がりだ。「登場人物がすごくて実感がない」という、落合博満以来の7年連続打率3割ですら単なる通過点になってきそうだ。
李大浩が加入した打線はDHと一塁争いが注目される。影響を与える1人である内川は「144試合フルにレフトを守れるようにしたい」ときっぱり。全試合出場の昨年も肋骨(ろっこつ)骨折の影響で38試合がDH。「自分がDHで、起用の幅を狭めるのは申し訳ない」。それぞれの発言のたびに「もう1度、日本一」という根本的な目標を言い添えた。【押谷謙爾】



