若虎が歩けば、掛布棒に当たる!?

 阪神掛布雅之GM付育成&打撃コーディネーター(DC=58)がキャンプに「秘密の練習用具」を準備していることが11日、分かった。バットより少し短い長さの棒で、スイングして体の軸を作ることが目的。ケガの防止にもなる。平田勝男2軍監督(54)らと詳細を詰め、2月の高知・安芸キャンプで取り組む早朝練習などで使っていく予定だ。

 ビュンッ、ビュンッ-。2月の高知・安芸で早朝、若虎たちが見慣れぬ棒を左右にスイングしている。見守る掛布DCは「いいよ!」と声をかける。そんな風景がキャンプの日常になりそうだ。平田2軍監督が、前日10日の掛布DCとの話し合いを明かした。

 「新人の映像を見てもらって、楽しみだという話をした。もっと(体の)軸を作るように、ポールみたいなバットより少し短い長さのものを左右に振った方がいいって話になった」

 掛布DCは鳴尾浜で合同自主トレ中の新人を視察した。立ち寄った平田2軍監督は、真剣なまなざしでバットを振るルーキーたちを見ながら掛布DCと会話した。そこで「掛布棒」構想が膨らんだ。

 長さだけが明確な棒。掛布DCが描く理想の形状、重さ、硬さなどはまだ不明だ。「全然詳しいことがわからんのよ」と平田2軍監督は言うが「発注するよ。春季キャンプからだよ。安芸でね」と秘密兵器として導入することは決まった。

 「体の軸を作る」「左右に振る」などのキーワードから、野球やゴルフでフォームを固める素振り用の棒などがイメージされる。一般的には少し柔らかい素材で、バットやクラブの「しなり」を確かめられる棒が市販されている。平田2軍監督は「朝のウエートとかで準備運動として使う。朝一番にバットを振ると手首を痛める」と故障防止にも役立つとみている。

 25年ぶりのタテジマ復帰。掛布DCは、本格的に選手を指導する2月キャンプを充実させることに神経を配っている。昨年11月には平田2軍監督の早朝練習案を聞き、「それ、いいよ」と大賛成。現在行われる強化指定選手の合同トレでは、全体練習の前にウエートトレーニングが設定されている。もちろんキャンプでも早朝練習を組み込む予定。そこにさらなる秘密兵器として、DC発案の「掛布棒」が導入されそうだ。

 エッセイスト松居一代さんが考案した「マツイ棒」は掃除界に革命を起こした。熱血指導の掛布DCによる虎の打撃革命も、棒状の秘密兵器が加わり鬼に金棒だ。

 ◆掛布DCの熱血指導

 昨年11月2日、高知・安芸での秋季キャンプで25年ぶりにタテジマ復帰。初日からいきなり伊藤隼を指名し、マンツーマンで夜間練習を行った。たたみ部屋でスポンジボールを使い、畳のすれる音を響かせスイングする伊藤隼と打撃理論の意見交換をした。同19日には約15分間、今成らを相手に「人生初」というノック役を務めた。森田を「小バース」、今成を「小掛布」などニックネームをつけて気持ちを盛り上げた。キャンプ終了後も熱は冷めず、同30日には伊藤隼、森田を自宅に招き「秋の総復習」。スポンジボールを使いながら、約1時間半にわたって指導した。