阪神鳥谷敬内野手(32)が27日、大阪市内の朝日生命ホールで行われた日刊スポーツ主催の「2014鳥谷敬選手

 キャンプイン直前

 プレミアムトーク」に出演した。

 夢は捨てない。鳥谷はトークショーの中で「生涯メジャー志向」の思いを明かした。昨年12月30日付の日刊スポーツが紹介された。ネットアンケートによる昨季の阪神重大ニュースは、WBC台湾戦での盗塁とFA宣言せずに残留した鳥谷がワンツーフィニッシュ。V奪回を優先した決断も、海の向こうへの憧れはそのままだ。

 鳥谷

 (メジャーに)行けたら行きたい。年齢もありますし条件もありますけど、夢は持ち続けていきたい。大学生のころから思っている。グラウンドの雰囲気なんかもいいと思いますよね。

 大学時代は学生日本代表の主軸だった。11年前、早大4年時は米国で日米大学野球が開催された。鮮やかな天然芝、開放的なスタンドの雰囲気に引き込まれた。休日はメジャー観戦へ行った。鮮明に覚えているのは、ニューヨークのヤンキースタジアムで見た背番号51。「バーニー・ウィリアムズには興奮した」。昨年のWBCでは、本場のグラウンドを体感した。

 だからこそ、このオフも熟考した。メジャーで日本人内野手を取り巻く環境は厳しい。それでも、いばらの道を選ぶ覚悟はできていた。夢、そして猛虎愛。はざまで揺れながら、五分五分の状態から残留を決断した。2年目の05年に味わった優勝の美酒。人一倍責任感の強い男は、夢は夢としてひとまず胸にしまった。

 楽天田中はヤンキース行きを決めた。この日も「7年約163億円」と契約を報じた日の新聞をながめながら「夢あるな~と。本当に人ごとですよね。この金額を見ると」と笑った。猛虎愛、そして夢。背中で優勝へと引っ張っていく主将は、熱いハートにアメリカンドリームを抱えている。【近間康隆】