中日ドラフト1位の鈴木翔太投手(18=聖隷クリストファー)が29日、里帰り登板をゲットした。北谷での1軍合同自主トレに他の2軍選手と1日体験合流。ブルペンで20球の立ち投げ後、プロ入り初めて捕手を座らせて15球を投げ込んだ。森ヘッドコーチは「顔も投げ方もチェンに似ているな。さすがドラ1。腕のしなりや肘の使い方は天性的なもので(2軍選手の中では)1、2番。高校生だから慌てないけど、短いイニングでも1度上で投げた方がいいし浜松で投げさせてやる」と明言。まだ実戦で1球も投げていないルーキーでは超異例、6月17日に故郷浜松で行われる西武戦の1軍登板を約束した。

 充実の35球だった。「沖縄は暖かいので体がキレてきました。(受けた)小田さんにも“いいボールが来ていた”と言っていただきました」。森、友利、近藤の3コーチが熱視線を送る中でも臆せず制球。浜松での登板は「投げたいですが焦って故障してもいけないので」と慎重に言葉を選んだが、森ヘッドは「落合GMや谷繁監督らに見てもらいたいし、1軍に呼ぶことも考えている」と今キャンプ中の1軍昇格にも前向きだ。キャンプイン前にできた6・17という最高のモチベーション。翔太伝説の幕開けだ。【松井清員】