巨人が強い?

 そんなの関係ねえ!

 阪神西岡剛内野手(29)が30日、春季キャンプが行われる沖縄に移動した。今月21日からは日本ハム中田翔内野手(24)らと米ハワイで自主トレを敢行し、昨年以上のコンディションで帰ってきた。宿敵の“雑音”はシャットアウトし、優勝だけを見つめる。

 黒のジャケットにサングラス。全身をビシッと決めた西岡が那覇に降り立った。この日の最高気温は23度。半袖ポロシャツ姿が行き交う空港で、西岡の姿はひときわ目立っていた。まるで周囲は関係ない、というメッセージのようだ。キャンプインを目前に控え、服装同様、野球へのスイッチが入っていた。

 「周りの予想は放っておく。巨人が強いのは分かるけれど、認める必要はない」

 さらに言い放った。「今年はやらなあかん年。巨人を倒さなあかん年」。鳥谷だけでなく、西岡は優勝、そして打倒巨人を最大のミッションに掲げた。自身も昨季は巨人相手に打率2割5分9厘と打ちあぐねた。リードオフマンとして、自らが担う役割は大きい。そのためにオフの自主トレにも力が入った。

 沖縄入り直前まで米ハワイでの合同自主トレを行った。日本ハム中田の個人トレーナーを務めるケビン山崎氏の指導も受け、ギリギリまで体をいじめ抜いた。その結果、「去年よりは状態良く(沖縄に)戻って来られている」と手応えをにじませる。移籍1年目の昨年は「2月1日に紅白戦をやると言われても出られる体を作ってきた」という状態で沖縄入りし、2月11日の練習試合、韓国・LG戦に出場。今季はそれをも上回るコンディションで、キャンプインを迎えることになる。

 「(個人的に)いい成績を残したいし、(それよりも)とりあえず優勝したい。ファンの『そろそろ早く優勝してくれ』という空気感も伝わっている」

 周りがどう予想しようが関係ない。見つめる先は巨人の3連覇阻止、そして虎のV奪回しかない。移籍2年目もキーマンは西岡だ。【松本航】