「バカ」の三段活用?

 日本ハム栗山英樹監督(52)が2日、大谷翔平投手(19)に2日連続でハッパをかけた。朝のダッシュで靴が脱げた際、けがの危険性もあり、報道陣の前で「大バカヤローだ」と厳しい言葉を並べた。前日1日には、内容がいまひとつだったブルペン投球を視察し「バカヤロー」と連発したばかり。今度は「大」をつけ、自覚を促した。

 キャンプ2日目の朝。なんともほほえましい光景が場を和ませたが、栗山監督は肝を冷やしていた。全力でダッシュする朝一番のメニュー。走り始めた大谷の靴が脱げ、飛んだ。周囲は爆笑。…ひとりをのぞいては。

 栗山監督

 大バカヤローだよ。みんな笑ってたけど笑って済むものではない。けがしたらどうすんだって。さぁみんなでチェック(ダッシュ)いきましょうって言って、すぐだよ。引き続き大バカヤローだ。

 前日1日は、ブルペン投球の内容が不満で「バカヤロー頑張ろうぜ」と奮起を促したばかり。名誉挽回(ばんかい)…となるはずが、翌日には「大」が追加された。

 細かいことだが、一大事を招く恐れもある。栗山監督も本気で怒っているわけではないが、靴ひもをしっかり結んでさえいれば、防げたことだ。「ピッチャーってもっと繊細で、そういう感性は野球で大事なこと」。慎重に慎重を重ねて投球し、さらに周囲に気を配れないといけないのが投手。おちゃめな大谷のかわいらしいミスだが、ただ笑ってすませるわけにはいかなかった。

 大谷は午前中を投手として過ごすと、ランチ後には走塁練習やフリー打撃を行い、41スイングで柵越え5本。今キャンプ初めて投打「二刀流」をこなした。「昨年もピッチングがない日に打ったりしていたので、そんなに(変わりはないです)。でも流れが分かっているのが、大きな違い。去年は慌てていて、余計な動きもあって疲れていた」。いい面も悪い面も、どちらにしろ目立ってしまうのが、スターたるゆえんである。【本間翼】