「H」の赤いランプに思わず笑みがこぼれた。DeNAドラフト3位、嶺井博希捕手(22=亜大)が27日、沖縄・宜野湾で行われた韓国・ネクセン戦にスタメン出場。3回にユン・ヨンサムから4球目の直球を左前に放った。6試合目での初安打に「めちゃくちゃうれしかったです」と満面の笑みを見せた。

 プロのレベルにもがいていた。大学時代はボールにバットを合わせるだけで外野まで飛んでいたが、力負けしていた。悩んでいる嶺井だったが、前日26日の練習で中畑監督から「小指と薬指に力を入れるイメージで振れ」と指導を受け、最初の打席でいきなり結果を出した。「力強く振れた感じがした」と振り返った。

 沖縄尚学時代はセンバツ優勝。亜大時代は明治神宮大会優勝に大学日本代表で正捕手を務める実力者だ。それでも「関係ないので」と控えめに話す。

 地元沖縄での初安打。「大学時代の沖縄キャンプも1本しか打てなくて、沖縄とは相性が悪いみたいです」と苦笑い。正捕手争いは黒羽根が1歩リードしているが差はほとんどない。3月からは実戦が続き、課題の打撃が克服できれば開幕正捕手もある。「このヒットをきっかけに打てれば」と飛躍を目指す。「ハマのシーサー」が正捕手の座を淡々と狙う。【細江純平】