中日谷繁元信兼任監督(43)がキャンプ総括で採点を拒否した。27日に沖縄北谷と読谷での1、2軍キャンプを打ち上げ。谷繁監督はナインの進化に手応えをつかみ、3月のオープン戦こそ、本当の戦いと強調。キャンプに点数はつけられないとし、開幕投手、ローテ、開幕4番、スタメンなど、すべての部門で身内同士のサバイバル開戦を仕掛けた。

 キャンプ総括の点数を問われた谷繁監督はニヤリと笑った。「絶対に誰か聞くと思っていました。つけません」。点数拒否?

 その心は?

 真顔で声のトーンが上がった。

 「終わってないでしょ?

 キャンプで100点とかよくわからない。今からでしょ!」

 他球団監督の多くが100点に近い点をつける中、これぞ谷繁スタイルの採点拒否だった。

 3月末の開幕を見据えると、打ち上げは通過点に過ぎない。2月のキャンプが猛練習の基礎編なら、3月のオープン戦は実戦の応用編。ナインが朝から晩まで、日本一と言っても過言でない練習量に耐えた最終日。指揮官が息つく暇なく鳴らしたのは、次なる戦いのゴングだった。

 「開幕投手は決めた?

 まだです」

 「開幕ローテ?

 まだです」

 「4番は平田が有力?

 分かりません」

 「スタメンや打順?

 分かりません」

 開幕投手ぐらいは決めているかもしれない。だがベテラン、主力を問わず、1人のポジションも確約しなかった。強調したのは全員白紙だ。「ライバルとしてチーム内で競争しないと。数字、プラス監督としてどう感じるか」。チーム内競争の相乗効果をMAXに生かし、開幕メンバーを決める考えだ。

 26年目で初の兼任キャンプ。監督谷繁は選手谷繁にも厳しい視線を注いできた。「イメージしていた通り、自分に対しては十分できました」と納得の表情を浮かべながら「結果はこれから」と補足した。現状自身の開幕スタメンさえ白紙。それほど競争は厳しいとナインに訴えた。

 「みんな頑張った。秋のキャンプから変化しているのは感じます」。最後まで、頑張った選手の固有名詞は1人も挙げなかった。3月こそサバイバル。激しい身内バトルの果てに快幕ダッシュを目指す。【松井清員】