<オープン戦:巨人3-2ヤクルト>◇1日◇東京ドーム

 巨人大竹寛投手(30)が堂々の本拠地デビューを飾った。3回を被安打2、無失点。得意のシュートを効果的に使い、1回には相手の3番バレンティンのバットを折った。開幕ローテ入りを確実としているFA移籍の右腕が、着々と歩を進める。

 本拠地デビューの大竹が「勝てる投手」の投球をした。予告通り、KANの「愛は勝つ」に合わせてマウンドへ。軽快なテンポと裏腹に、緊張で汗びっしょりだった。「巨人のユニホームを着るという高揚感もあったけど、その気持ちが試合の方に向かってくれて良かった」と、3回2安打無失点の39球に手応えを感じた。

 シュートで、豪快に緊張を突き破った。1回、バレンティンとの対決。バットを派手に割った。昨季、12球団最多の4本塁打を献上した苦手な相手だった。初球。「自分の投球は知られている。分かった上で」、ど真ん中から内角へシュートを食い込ませた。本塁打の日本記録保持者は当然、食いついてきた。計算通り詰まらせ三ゴロ。「僕の生命線」と認める代名詞を、名刺代わりに披露した。

 ピンチになると一転、この持ち球を丁寧に使った。3回2死一、三塁。相手は川端だった。2ボール2ストライクから、この日最速の144キロを少しだけシュート回転させ、外角低めに収め、見逃し三振とした。宝刀を臨機応変に使い分けた。

 沖縄キャンプ中、内海と投球論を語り合う機会があった。「ボールはバットに当たるもの」との前提から、議論に花が咲いた。内海は「コースを狙いすぎるのではない。寛ちゃんは『狙ったコースに強いボールを投げる』と話していた。自分と全く同じ考えだったし、その重要さを再認識できた」と振り返った。ボールを自在に操り、打ち損じを狙い、裏をかく。したたかさは、新天地でさらに磨かれていた。

 原監督は「ベースを広く使える。サインプレーも良かった」とほめた。惜しくもアウトは逃したが、川端の打席では一塁けん制のサインプレーも無難にこなし、総合力の高さを示した。大胆、かつ繊細な“ルーキー”。常勝軍団の一員にビシッと加わった。【栗田尚樹】