左腕が天才レフティーを超えた。楽天のドラフト1位松井裕樹投手(18=桐光学園)が1日、神奈川・川崎市内の桐光学園で行われた卒業式に出席。両親や野呂雅之監督(52)に見守られ、会見場に登場すると「ヤバいっす!」と笑顔がはじけた。久しぶりの学生服姿で「今日は(プロでなく)高校生の自分です」と学生最後の日を楽しんだ。

 ますます笑みがこぼれる贈り物があった。同校初の特別賞だ。賞状とともに置き時計の記念品が贈られた。2年夏の甲子園で1試合22奪三振の記録を樹立するなどの活躍が認められた。OBのサッカー元日本代表中村俊輔(35=横浜)も受賞できなかった名誉に「光栄に思います」と喜んだ。

 さらに「自分の母校として桐光学園を誇りに思いますし、OBとして活躍して恥じない結果を残していきたい」と意気込んだ。これまで野呂監督からは「愛される選手になりなさい」と教えを受けてきた。華麗なプレーでサッカーファンから愛される中村のように、同校OBの顔を目指す。今後は3日にNPBによる新人研修を受け、岡山・倉敷でチームに合流。7日か8日に登板の可能性が高い。

 卒業式後は仲間と焼き肉を食べに行き、リラックス。「1人1人と話してるうちに泣いちゃいました」と、涙と笑顔で過ごした。「活躍している姿を見せるのが恩返しになる」。次は白球を操るファンタジスタとして、ファンを魅了する。【島根純】