<オープン戦:ソフトバンク1-4楽天>◇2日◇ヤフオクドーム

 頼もしい剛腕が本拠地でド派手にデビューした。ソフトバンクの守護神候補デニス・サファテ投手(32=西武)が、楽天とのオープン戦に5番手で登板。150キロ台を連発し、2三振を含む3人斬りでピシャリと抑えた。好調を維持する五十嵐亮太投手(34)との守護神争いは、ますますハイレベルになってきた。

 力で思い切りねじ伏せた。9回、先頭の小関へサファテは5球すべて150キロ台の直球で勝負。最後は150キロ高めの直球で空振り三振を奪った。「今日はしばらく実戦から間隔が空いていたので直球中心でいった」。20日の紅白戦から中9日で休養十分、移籍後初の対外試合、しかも本拠地デビューとあっていつもよりグイグイ押しまくった。

 続く左の榎本も7球直球を続け150キロ高めで空振り三振。岡島は3球で追い込み、最後は得意のフォークボールで二ゴロに打ち取った。「自分は直球で押すのがスタイル」。この日の最速は151キロ。193センチの長身から投げ降ろす剛球は打者にとってはやっかいだ。

 守護神を五十嵐と激しく争う。「イギー(五十嵐)がクローザーだと思う。実績をみても」と謙遜しながらも「イギーには俺がクローザーと言っておいて」と本音?

 とも取れるアメリカンジョークで笑わせた。加藤投手コーチは「最後の最後まで見極めたい」と開幕直前まで答えを出さないつもりだ。

 キャンプ中にはウルフ、スタンリッジらと休日は一緒にショッピングモールやゴルフに出かけた。外国人だけでなくチームにもすっかり溶け込んでいる。「五十嵐ももちろん友達。チームに友達をたくさんつくっていきたい。ブルペン陣で先発は5回で十分というくらいにしたい」とチームへの愛は熱い。「毎日投げられる体全体のスタミナをつけていく」と、開幕へ向け自己最速158キロが出せるくらいに調子を上げ、力でクローザーを奪い取る。【石橋隆雄】