<オープン戦:ソフトバンク1-4楽天>◇2日◇ヤフオクドーム

 本塁打を打っても、楽天銀次内野手(26)は浮かない顔だった。8回先頭、ソフトバンク岡島の真ん中に入った直球を振り抜き、右翼席へ運んだ。13打席ぶりの安打だったが「正直、この時期にホームランを打つのはよくないことなんです」と、真顔で打ち明けた。

 本塁打を打つのはいけないこと?

 不思議な告白の訳は「打ったことで、自分の打撃ができなくなることが怖い」からだった。昨季、初の打率3割を達成。日本一チームの3番打者に定着したが「僕はホームランバッターじゃない」と公言する。前日1日の試合前。ベンチ前で子どもファンから「ホームランを打ってください」と請われたが、「めったに打たないから」と言い返したほどだった。

 むしろ、凡退した1回の第1打席に納得した。左飛に倒れたが、「すごくよかった」。力強いスイングで逆方向に打てたことを喜んだ。対照的に、8回の本塁打は「嫌ですね。自分のスイングをしないで、ああいうホームラン。まずい」と繰り返した。ぜいたくにも聞こえる悩みは、主力としての意識が上がった証拠。最後までスッキリしない表情が、銀次の成長を示していた。【古川真弥】